検索窓
今日:8 hit、昨日:9 hit、合計:80,713 hit

□□□ ページ18









なんでそんなこと聞くんだ?と問うてくるパンダと棘に、先月の任務でのことを正直に打ち明けた。
…………まあ隠す理由もないのだけれど、何となく言いづらかったのである。


「なるほどなー。それで自分が呪術師になりたい理由が正しいのか分かんなくなったワケだ」

「そ、そう」


順序もぐちゃぐちゃで語彙力もなくて。そんな会話下手なAの説明でも2人は理解してくれたらしく、そんな事があったのか、と頷いてくれている。
そして、その全てを言葉にすると余計に自分が惨めに見えて、Aは俯き混じりに呟いた。


「私、正直言って呪術師向いてないんとちゃうかなあって思って…………」

「まあ、向いてねえわな」

「ぴぎゃッ………………」


こうもズバッと言われるとは思っておらず、心にぐさりと何かが刺さった感覚に陥ったAは、その場に崩れ落ちる。

高専生になってもうすぐ2ヶ月が経とうとしているが、まだAは4級術師で、初めは階級すらつけられないほどレベルが低かった。そんなAに呪術師のセンスがない事など自分が一番分かっている。代々伝わる一族で特別扱いされるほど恵まれた能力を与えられたのに力を発揮できないなんて、宝の持ち腐れもいい所である。


「でもA的には、向いてないからって辞める選択肢はねえんだろ?それなら頑張って続けるべきだと俺は思うけどな」

「しゃけ」

「そうかな………………」

「まーまーそう落ち込むなよ。深く考えすぎるのは体に毒だし、変に頑張る理由をつけようと無理しても、その理由が足枷になる時だってあるんだから」









□□□→←第2章 : 呪術師は命懸け



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 狗巻棘 , 番外編
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年3月4日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。