55話 : 人を殺して死ねよとて ページ9
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「そうすれば敦さんも乗客の皆さんも無事ですから……そうですね、最高の選択肢と言えます」
「何しろ妾らは、武装探偵社だからねえ」
仲間のピンチに逃げるような人間になれなどと教わった覚えはない。編み上げブーツの靴紐を結び直し、Aは真っ直ぐな瞳で車両室を見詰めた。
「オイ貴様ら、武装探偵社なのか?!何とかしろッ!」
Aたちの会話を聞いていたのか、高そうなスーツに身を包んだ男が叫んだ。それはさっき、Aに盛大な平手打ちを食らわしたあの男。
「おやおや。でも探偵はロハじゃ動かないよ?」
「金なら幾らでも払う!爆弾を止めて儂を助けろ!」
「そいつは依頼かい?」
「そうだっ!」
男が頷くのを確認し、「それなら仕方ないねェ」と与謝野が笑った。しかし男は、何故か頬を赤らめていて。
「それからもう1つ………………。
その、▒▒を▒▒▒してくれるというのは本当か。
我儘を言うようだがどちらかといえばそっちのお嬢ちゃんの方が儂は嬉s」
「「………………」」
額に青筋を浮かばせた与謝野の拳とAの踵落としが脳天に決まり、男は力なくその場に伏した。
「あんな思いっきり殴ってしておいてよく言うよ」
「………………気持ち悪いです」
(Aさんド直球………………!)
ケッと吐き捨てるAと与謝野。
この探偵社において1番敵に回しちゃいけないのは女性陣なのかもしれない、と敦は確信した。
「さて2人とも。手分けして爆弾を解除するよ。
妾は前、アンタら2人は後部だ。その前にお嬢、乗客全員バフっときな」
「了解」
「もし敵がいたら?」
敦の問いかけに、与謝野は当然だというように笑う。
この状況において、対敵したときの選択肢は唯一つ。
「━━━━━━ぶっ殺せ!」
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56話 : 凍てつく瞳は一体何を映すのか→←54話 : 爆風は檸檬の香りと共に
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草華 - お話とても面白かったです😆続き楽しみにしています❗頑張ってください☺️ (2023年2月25日 20時) (レス) @page47 id: dcb6064af8 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮。(プロフ) - 夢主ちゃんの恋愛好きなキャラが凄い好きです!!更新頑張ってください!応援してます!! (2021年8月5日 23時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
まめこ。(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» コメントありがとうございます!私はアニメ勢で最近漫画を集め始めたんですが、敦と乱歩さん推しです^^* (2021年7月25日 11時) (レス) id: 4740a5bcfa (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 凄く面白いであります!私、文ストの中で敦が最推しです!(アニメと漫画どっちもです!)まめこ。さんは誰推しですか?この小説書いてるってことは敦なんですか?更新頑張ってください! (2021年7月24日 21時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ。(プロフ) - がびさん» コメントありがとうございます!私あんま歌い手さん詳しくなくて同じにしたつもりはなかったのですが…そういう歌詞があるんですね!また聞いてみます^^* (2021年6月8日 12時) (レス) id: 4740a5bcfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年1月21日 20時