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こうやって2人で電車に揺られるのはいつぶりだろう。
いつもみたいに他愛もない話をして笑い合って。
…………でも、何だかぎこちない。
何事もなかったように接することもできたんだろうけど、ずっとモヤモヤを抱えたままなのは嫌だった。
思ってることちゃんと伝えたら分かってくれるよね！
と思ってポケットからペンを取り出す…よりも早く、回原くんが口を開いた。
｢……なんかごめんな｣
｢？｣
｢気まずかったろ。
………………
回原くんの言う
気にかけてたのは私だけじゃなかったみたい。
個性を嫌う私が、個性教育を中心としたヒーロー科をよく思ってないんじゃないかって、そう回原くんは言ってた。だけど私はそんなこと思ったことないし、こうやってまた話したかった。それでも言葉にすることはできなくて、もどかしかったの。
その想いを綴ったメモ帳を見せると、回原くんは持ち前の三白眼を見開いてぱちぱちさせた。
｢え、じゃあ、鳴海は俺がッ……ヒ、ヒーロー科が嫌いなわけじゃなかったのか？！｣
『うん』
｢何だよ俺の早とちりか……｣
はーーっ、と長いため息を吐き出して。
回原くんは心底安心したように｢マジか……｣と何度も呟いている。
かくいう私もずっと心の中に居座っていた蟠りがやっと解けてホッとしていた。また前みたいに回原くんに接することができると思うと嬉しくて、気が緩んでしまったのか、目の奥がじわりと熱くなってくる。
……ああダメだ。なんでこうもすぐ泣いちゃうんだろう。
｢ッて鳴海？！泣いてんのか？！ごめん、俺の勘違いで…！｣
｢ぇ゛、ッ………と、｣
｢え、何？｣
ぽたぽた零れる涙がメモ帳を水玉模様に染めていく。いきなり私が泣き出して焦る回原くんに手を貸してもらって、降りる駅とは違うけれど、次に開いたドアから電車を後にした。
車内から降りると回原くんは人目につかなそうな端のベンチに座らせてくれて、泣きじゃくる姿が見えないように、座る私の前にしゃがむ。
ずっと話せてなかったこと、想いを伝えられなかったこと。
それらは日常には何の影響もなかった。それでも私の心には大きなダメージを残していて。上手く文章にできなかったけれど、ただ、どうしようもなく回原くんが恋しかった。
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椛 - 完結おめでとうございます！！この作品を見つけた時すごく嬉しくて、終始ニタニタしながら読んでました(笑)大好きです！！ (2021年12月28日 19時) (
レス) @page34 id: 3a2e900138 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ。(プロフ) - 鳴さん» コメントありがとうございます^^*回原くんカッコイイしもっと活躍して欲しいですねぇ (2021年7月14日 11時) (レス) id: 4740a5bcfa (このIDを非表示/違反報告)
鳴 - 回原君、イケメンですよね！もっと、原作に出てほしいです！ (2021年7月13日 20時) (レス) id: ca5ded00fc (このIDを非表示/違反報告)
まめこ。(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» ありがとうございますー^^*ほんとイケメンですよね回原くん！！ (2021年5月20日 8時) (レス) id: 4740a5bcfa (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 実は最近、回原くんのこと気になってたのでこの小説を見つけられてとても嬉しいですぅぅぅぅ本当にイケメンっっっっっ(ただの面食い)これからも楽しみにしています(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年5月16日 16時) (レス) id: f760c82735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月11日 9時
