Page.39 ページ41
･
｢これなんてどうかしら｣
｢うーん……見た目が｣
｢そっかぁ、ノエルちゃんに似合いそうなやつ……｣
魔力を上手く抑えることができる、尚且つ気難しいノエルの趣味に合うデザインの魔導具を見つけるのはなかなかに困難だ。それでも｢あれはどう？｣｢こっちは？｣なんて色んな魔導具を試してみるこの時間は楽しい。あとさっき賭博場なる場所にマグナらしき人が見えたが、きっと人違いだろう。
と、そこへ
｢─────おやおや、こんな所に……どうしたんだい？｣
｢？｣
｢ここは貴女方のような美しいレディーが来る場所じゃない。魔法騎士団エリートのこの俺が外に案内してあげましょう｣
声がして振り返ると、どこかで見た事のある男が壁に手をついてこちらを見ていた。俗に言う“ナンパ”というものだろうか。しかし彼は口説こうとする相手を間違えた。こちらには気高くプライドの高い王族様がいることをお忘れなく。
｢失せなさい羽虫｣
一蹴。
息をするように毒を吐くノエルの鋭い一言は、男の心にぐっさりと刺さったようだ。そして追い討ちをかけるように、Aが｢あ！｣と彼を指さした。やっと既視感の正体が分かったのだ。
｢君、試験でアスタくんに一撃食わされてた人じゃない？｣
｢？！｣
｢知り合いなの？｣
｢話したことはないけど、入団試験の時に見たよ｣
盛大に格好つけて登場したというのに、容赦なく突き飛ばされた上に｢一撃食わされてた人｣なんて格好悪いレッテルを叩きつけられた。
そもそも一撃食わされたなんて言い方はやめて欲しい。あれはまさかアスタがあんな大剣を隠し持っているとは思わず……ん？
(この子なんでアスタのこと知って……っつうかどっかで見た顔だぞ…)
｢おーーーい！こんな面白いアイテムがあったぞー！｣
｢あなたそれまさか買ってないでしょうね｣
(な？！こ…コイツは────)
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめこ。
| 作成日時：2022年3月13日 10時
