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｢炎拘束魔法“炎縄緊縛陣”｣
魔球が当たった箇所は今も燃え続けており、その炎を拘束魔法として上手く利用したマグナの魔法センスは大したものだ。最後の最後で力を使い切ったAは地面に倒れ込んだまま、｢あなた見かけによらず器用なのね｣｢やかましいわ！俺先輩よ！？｣というノエルとマグナの会話を遠く聞いていた。
｢それよりAの肩は大丈夫なの？！｣
｢大丈夫…怪我より疲労の方が大きいかな……｣
｢ったく、自分が最強かなんかと勘違いしてんだか知らねえけど攻撃効かねえくらいで勝手に諦めて勝手に絶望してんなよ｣
｢最後は諦めなかったので結果オーライということで………ゲホ、｣
｢あーあーあー、とりあえず止血すっから寝てろアホ嬢｣
痛みも疲労も忘れて戦った。ここまでハードな初任務をこなすなんて思ってもみなかったが、こうしてまた青空を拝めてよかった。
｢ノエ公、傷口に水頼む｣
｢分かったわ｣
｢ゔッ！……何でこういう時に限って当たるの…………｣
肩どころか全身水浸しにされ、その水の勢いもあってか、コテンと意識が落ちた。今回の戦いにおいて大活躍した英雄とはいえ、その実態はまだまだ未熟な15歳児。年相応の無邪気な寝顔に2人がホッとしている頃、もう1人のヒーローはというと。
｢どぉだコンチクショォオオオオオオオ！！！！｣
下民でも、魔力がなくても、敵を討つことができた。｢俺、諦めずに戦ったら勝てたよ｣と。諦めないことがアスタの強みだと教えてくれた教会のシスターや弟妹たち、ライバルのユノにも自慢してやりたい。アジトに待つ仲間たちにいち早くこの嬉しい知らせを伝えたい。……それでも身体は正直で、アスタは空に向かってひと吠えした後、力なく脱力した。
｢んごおおおおおおおおお…………｣
｢って寝てんのかい！｣
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2022年3月13日 10時
