Page.26 ページ28
･
｢何でこんな酷えことをする……！何なんだお前らァア！！｣
反魔法の剣で氷塊を一刀両断にしたアスタが怒り叫ぶ。
主犯の男とその側近と思しき4人は敵国からのスパイだというわけでもなければ、村を襲う蛮族…にしては強すぎる。正体は謎だが、戦うつもりならこちらも容赦しない。イノシシ狩りという任務とはかけ離れているけれど、民を守るのが魔法騎士団の役目だ。
｢魔法騎士団の者が来るとは
｢申請外の任務かなにかでしょうか｣
｢それにどうやって我々の霧を破ってこの村に入ってきた……？｣
｢“黒の暴牛”……魔法騎士団の中で浮いている粗野で異端の連中か｣
｢……─────5分だ。
何も知らなかった役立たずの村人諸共をとっとと始末し、
｢……無視すんじゃねえ！｣
下っ端と男の会話の中に不自然な内容がいくつかあったが、詳しく聞くのは倒してからでも遅くはなかろう。Aが魔導書を開く横で、アスタが勢いよく駆け出した。
｢霧魔法“幻霧の渦”……そう簡単にヒース様に近づけると思うな愚か者め。霧に惑え！｣
｢誰が惑うかァ！！何でここの村の人たちを皆殺しにしようとしたのかって聞いてんだァ━━━━！｣
｢…………この村は下民が住む“恵外界”だ｣
クローバー王国は、このソッシ村やアスタとマグナの故郷のような、下民が住む“恵外界”と、平民の住む“平界”、Aやノエルが生まれた“王貴界”の3つに分類される。魔法騎士団は無差別に民を護る存在。けれど魔力が全てのこの国において魔力が高い王貴界の者たちから下民への差別があるのもまた事実であった。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめこ。
| 作成日時：2022年3月13日 10時
