Page.16 ページ18
･
(し、死ぬかと思った………………あの子は？！)
あの時、Aが召喚したのは豹。スピードメインの生き物を…と考えた結果、真っ先に浮かんだのがこれだった。お陰で無事にあの魔球を避けることができた。ほっとして、咄嗟に掴んでバサバサになった豹の毛並みを整えてやる。かく言うAも毛先が少し焦げてしまった。
豹に乗って魔球を避けているとき、真横でとてつもない爆音がした。
さすがにアスタの身体能力では避けることも防ぐことも斬ることもできなかったか……とAは顔を上げるが、そこにいたのは無傷のアスタだった。
(…………そっか、刃じゃなく剣脊に当てたのね)
あらゆる魔法を切り裂くアスタの大剣。その切っ先で魔球を斬ったところで、Aが予想したみたく、割れた破片にやられることになる。だから“魔法を跳ね返す”剣脊で魔球を打ち返したのだ。
｢流石だね、｣
｢いや俺もまさかこんなんなるとは思わなかったぜ……！｣
｢それはいいけど……あの人死んだんじゃない？｣
｢死っ…………あああ！！｣
跳ね返された火の玉をまともに受ければ100%死ぬ威力だった。
その前にフィンラルか誰かが彼を救けてくれていれば生きている見込みはあるが、もくもくと立ち上る煙幕の中に僅かな魔力を感じた。確かにマグナはそこにいる。しかし、彼は生きていた。
｢もうちょいで自分の魔法で死ぬとこだったじゃねえか…てめーらァア……
やるじゃねえかァァァァ!｣
｢｢え｣｣
後に聞いた話だが、あの時、跳ね返ってきた火の玉目掛けてもう一度魔球を放ったらしく、爆発はそれらがぶつかってできたものだという。お陰で直撃は免れたものの、爆発に巻き込まれて全身ボロボロのマグナは飛び起き、怒られる！と身構えた2人に眩しく笑って見せた。白い歯がキラリと光る。
｢俺の魔法を防ぐどころか跳ね返してくるとはなァ！気に入ったぜチビスタ！あとお前も！あれを避けるたァさすが貴族様だぜ！｣
(ああ…………助かった)
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめこ。
| 作成日時：2022年3月13日 10時
