第6話＿その五 ページ16
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｢あの、三平マドカさんって人ご存知ですか？｣
｢ミヒラマドカ………………？知らないなぁ｣
｢すみません、ありがとうございました｣
聞き込みを初めて30分ちょい。マドカの情報はひとつも得られていない。
やっぱり難しいな、と頭を掻きながらペダルを踏む足に力を込めた。
｢瀬名くんところで見つかるといいけど……｣
まだまだ時間はある。手当り次第聞き回っていればカスリはするだろう。と思っていたが、
｢知りませんか？｣
｢さぁ…………？｣
｢三平マドカさんっていうんです｣
｢聞いたことないねえ｣
｢三平マドカさん。知らない？｣
｢ニャア｣
｢にゃあ……………………｣
橋の上で出会った猫にも聞いてみたが、もちろん返事はない。首輪についた鈴をチリンチリンと鳴らしながら走り去ってしまった。
｢黒猫か。可愛いなぁ………………｣
｢姐さん、猫の前だと声ゆるっゆるですね｣
｢っわ…………いつから見てたの？｣
｢ちょっと前から｣
汗を拭う悟に｢お疲れさま｣の意を込めてサイダーを差し出すと、それはそれは嬉しそうに笑った。
｢マジで姐さんかっけえっす！｣
｢で、なんか収穫は？｣
｢それがひとつもなくて…………姐さんは？｣
｢同じく｣
｢そっかあ…………｣
｢小さい街とは言え、端から端まで聞いて回るのは思ってたより大変だね｣
｢そっすねぇ、…………あれ｣
ふと悟の動きが止まる。その視線を辿ると、小さな子供を連れている三平がいた。もう子供を見つけたのか。
｢娘さんもう見つかったの？…………ってそんなわけないか。ひ孫？やしゃご？｣
｢この子、迷子になっとったんよ｣
｢あー、迷子ね｣
｢早く行こうよ！｣
｢あーもう、走らないで！｣
｢ん？｣
向こうの曲がり角から子供が飛び出してくる。
そんな子供たちを追いかけるように現れたのは、クラスメイトの堀田未来だ。
｢未来?!｣
｢ムキテーの悟じゃん。
そっちはナッちゃん？珍しい組み合わせだねぇ｣
｢子連れ…………？｣
｢違うって、この子達は私の弟と妹。
すみません、懐いちゃって｣
｢ええんよ。かわいい妹さんやね｣
見た感じ5、6歳と言ったところだろうか。
そのうちのひとりの少年が、まるで自慢話をするように言った。
｢俺らこれから三平さんの秘密基地行くんだぜ！｣
｢は？｣
｢お兄ちゃんとお姉ちゃんも一緒に来る？｣
なんで秘密基地の事を？
Aと悟は顔を見合せ、首を傾げた。
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枯葉猫(プロフ) - とても面白いです。続きがとても気になります。更新頑張ってください。応援しています。 (2021年1月8日 16時) (
レス) id: 96e0d3f560 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 瀬名くんの誕生日は6/5ですよ (2020年10月12日 23時) (レス) id: e5e1a06468 (このIDを非表示/違反報告)
^_^ - とても面白いです。頑張ってください。 (2020年9月17日 23時) (レス) id: fa4adc5e94 (このIDを非表示/違反報告)
^_^ - とても面白いです。頑張ってください。 (2020年9月17日 23時) (レス) id: fa4adc5e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だいふくリンゴ☆ | 作成日時：2020年9月8日 17時
