第46話 ページ46
沢山食べて店から出ると、いつにも増してニコニコな彼女
本当に来てみたかったんだな〜
そんな顔を見ながらふと思う
…あれ
普通に笑えてない？
良平さんと喋りながら俺の少し前を歩く彼女は
あの時みたいなつくり笑顔なんてしていないで
穏やかな表情をしていた
……痛い
チクリと何かが胸をさす
『あれ？江口さん？』
「どうした、えぐ」
「あっ！いや、別に。いい天気だなーって」
「天気？はぁ？」
『そうですね、いい天気ですね』
そうやって彼女はまた穏やかに微笑む
「…お前……」
そんな笑顔を見た良平さんは、彼女に近づき頬を両手で包んだ
『り、良平さん？』
びっくりしている彼女を見ながら、良平さんもやさしい笑顔を浮かべた
「なに、笑えてんじゃん」
『……え！』
「笑えてるよ、羽衣」
『本当に？』
「うん、ほら……って」
「え？」
俺は気がついたら良平さんの腕を掴んでいた
「え、なに、えぐ」
『……江口さん？』
「……あ、えっ……」
自分でも分からず、思わず言葉が出ない
「あ、いやっ、あの…」
「あ、甘い物食べたくないですか？」
「はぁ〜？」
『え？！』
「うそ、お前まだ食うの？」
『いいですね！甘いもの！』
「お前は食いすぎだ、あんな食ってて」
『じゃあ、良平さんはどうぞお帰りください〜』
「なんでだよ」
『食べない人は来なくて大丈夫です〜。江口さんと二人で行きますから、ねえー』
「わーったよ、行くよ行けばいいんでしょ！」
「で、えぐどこ行く？」
「え、あっはい、えーっと…どこに行きましょう」
「はぁ？お前大丈夫か？疲れてんじゃない？やっぱりやめだ、やめ、はい、帰ろー」
『えぇ…』
……なんだったんだろう
なんで今、俺
良平さんの手を止めたんだろう
胸がザワザワした
なんでだろう
なんでかよく分からないけど
彼女が笑うのを他の人に知られるのは
いい気がしなかった
『江口さん？』
「あ、うん、え？なに？」
『帰りますって〜』
もー良平さんったら、って頬を膨らませる彼女
また胸がザワザワとする
そんな俺を横目に見た彼女は、俺の耳元に、背伸びをして近づく
『じゃあ、今度は内緒で二人で行きましょうね？』
小さく内緒ポーズをする
その瞬間、ドキッとする心臓
「う、ん…」
……あれ
これは……なに？
「…やっぱり、健康診断行かないとな…」
「え、何えぐ、そんな具合悪いの？」
「あー、はい、ちょっと。今なんか」
……胸が痛くて
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雅 - サチさん» サチさん、コメントありがとうございます。今後どうなるか、続きも読んでくださると嬉しいです。3人の関係を沢山出せたらな、と。 (2021年3月18日 20時) (
レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 更新お疲れ様です！これまた、雲行きの怪しい感じなのでしょうか…主人公ちゃんが傷つかないことを祈ります。そして、良平さんと江口さん…どうなるんでしょうか。楽しみです！ (2021年3月17日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、いつもコメントありがとうございます。返信遅くなりすみません。均等に登場できるよう頑張りますね。感想、いつも楽しく拝見させていただいてます。 (2021年3月7日 15時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 更新お疲れ様です！…すごく良いです。江口さんとの会話も。でも、良平さんが気になる… (2021年3月6日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、いつもありがとうございます。ご返信遅くなりすみません。大体のオチは決めてありますが、少し変わるかもしれないですので引き続きどうなるか見ていただけたらなと思います(*^^*) (2021年3月3日 7時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅 | 作成日時：2021年1月28日 23時
