41cm ページ41
凄い形相で近寄ってくるルーハン。
「近寄るなよ。」
男の声も、聞こえていないかのように。
どうしよう、
「ルー、」
「聞こえてんのか！」
男が声を荒げた瞬間、ほんの少しだけ
「…った。」
男の手が、動いた。
ナイフの背が、ほんの少し頬に擦れる。
「き、きゃあ！」
「てめぇ！」
クラスメイトの悲鳴とルーハンの声を聞きながら、ふと気付く。
刃が、冷たくない？
まさか、いや、でも確認出来ないし。
…一か八か。
今は、顔の目の前にあるナイフ。
ひとつ、深呼吸をした後。
がぶっ
「A！？」
「おい、お前、やめろ！」
やっぱり！
「これダミーナイフ！」
「えっ、」
「…くそっ！」
ナイフを投げ捨てた男。
よし、そういうことなら！
不審者撃退法…確か、小指を
「調子乗んなよ」
「っえ、」
あ、やばい。
首に手が回される。
「Aーっ！」
「きゃあー！」
助けて、
「_____！」
「ぐっ、」
どすっ、という鈍い音とともに、
「うっ、」
崩れ落ちた男。
「…っけほ、」
いきなり拘束を解かれて、少しふらついた。
支えてくれたのは、
「大丈夫？」
「…うん。」
チェミノ。
倒れこんでいる男と、その横に立つルーハン。
一瞬、目が合った。
うずくまる男の方に一歩近付いたかと思うと
「ごほっ、やめ、うっ！」
鳩尾に、鋭い蹴りを入れた。
「____！」
ずっと何かを言っているけど、全く分からない。
みんな、唖然としている。
「ごほっ、ぐっ、」
…待って、これ正当防衛越えてない？
「ルーハン！」
「あ、A！」
チェミノの制止を振り切り、ルーハンのところへ向かう。
「大丈夫だから、もうやめて！」
「だってこいつ、お前に！」
「このままだと、ルーハンが悪者になっちゃう！
お願い、お願いだから…！」
体に後ろから腕を回し、必死に止める。
抵抗する力が、弱くなった。
「…本当は、その息の根を止めてやりたい。」
男がひっ、と息を飲む声が聞こえた。
「こいつに免じてやめてやる。
でも、これだけは言わせてもらう。」
多分、男とチェミノ、それから私にしか聞こえなかったと思う。
それはそれは恐ろしい声で。
ルーハンは、確かにこう言った。
“地獄に堕ちろ”
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 878人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓮美(プロフ) - 鹿さん» 鹿さん初めまして！お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。分かりにくかったですね、すみません！名前を呼んだり、登場人物の数を調整したりして工夫してみようと思います。コメントありがとうございました！ (2016年2月4日 18時) (
レス) id: 43c7fd0513 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく読ませてもらってます^^ 質問なんですが、誰がどのセリフを言っているのか分からないので話し方？など見分け方を教えていただけませんか？＞＜ (2016年1月15日 0時) (レス) id: 1d6d36a161 (このIDを非表示/違反報告)
蓮美(プロフ) - なおさん» なおさんこんにちは。ソンというのは、主人公の名字です。分かりにくかったですね。申し訳ありません。以後気をつけます！コメントありがとうございました。 (2015年12月30日 12時) (レス) id: 43c7fd0513 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ソンさんって誰ですか？ (2015年12月27日 12時) (レス) id: dd794a5542 (このIDを非表示/違反報告)
蓮美(プロフ) - ★あか★さん» ★あか★さん、コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまい、すみません(>_<)キャラ、好きって言っていただけて嬉しいです。励みになります！これからも楽しんでいただけるよう、がんばりますね！ありがとうございました！ (2015年11月27日 22時) (レス) id: 43c7fd0513 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蓮美 | 作成日時：2015年9月21日 23時
