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七話 ページ8
ふと、水木の視線が子供のポケットに向く。何やら不自然に膨らんでいるのを見て首を傾げた。
「それ。何入ってんだ?」
そう聞くと、子供はポケットに手を突っ込んで中に入れていたものを水木に見せてきた。
「え、」
そこには腐りかけのおにぎりが。
「・・・・・・それ、食うのか?」
子供はコクンと頷くと、口を開いておにぎりを放り込もうとした。
「待て待て待て!!!!」
おにぎりを平然と食べようとする子供の腕をひっ掴んで止める。またまた不思議そうに首を傾げる子供に水木は項垂れるように頭を下げた。いくら残飯とは言え、一部は変色し、逃げ回ったからか埃まみれで、なにやら変な異臭を纏っているそれは、人間の食べられるものでない。
「・・・・・・ちょっと待ってろ。」
「?」
水木は立ち上がると、子供を残して商店街の方へ歩き出した。
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作者名:優咲ユウ | 作成日時:2024年1月28日 21時