桜散る夜、また君に逢えたら。 (ページ5)

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四話ページ5

「おい！！そこのお前！！退け！！」

怒声が聞こえた瞬間、時が再び動き出した。いい年した男2人が、子供を追いかけ回している。気づけば俺は先陣切って走っていた男に、背負い投げを決めていた。ドスン、と鈍い音を立てて地面に這いつくばったのを見て、後ろにいた男も立ち止まる。

「テメェ！！！何邪魔してんだ！！！」

「いい歳した大人が、何も二人掛かりで子供を追いかけ回すことないだろ。」

「うるせェ！！！アイツは俺たちの店の残飯を食おうとしてた盗人なんだよ！！！」

「残飯なら、他の奴がどうこうしたってなんも困らねェだろうが。」

「金も払わず俺たちの店のもの食おうとしたんだ！！食い逃げにあたるだろうが！！」

何を言っても叫んで話を聞かない輩に、思わず顔を顰める。ガシガシと頭を掻くと水木は深い溜息をついた。

「なら、これでいいか。」

そう言って強引に金を握らせる。

「･･････なんの真似だ、テメェ。」

「金払えばいいんだろ。用が済んだならさっさとどっか行け。」

「･･････チッ、行くぞ。立て。」

そう声をかけると、投げ飛ばした男は逃げるように去っていった。