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一話 ページ24
あたたかい。
一番初めに思ったことはこれだった。目を閉じていてもわかる。肩まですっぽりと何かに包まれている感覚。嗅いだことのない、薬品のような匂いが鼻を掠めた。
いたい。
次に感じたのは痛み。まるで電撃でも喰らったかのようだが、その酷い刺激に「ああ、まだ生きながらえてしまったのか」と思う。
まぶしい。
三つ目がこれ。眉間に皺を寄せて目を開くと、光が視界を塞ぐ。思わず目を閉じてしまったが、数回瞬きをすると光が止んで、だんだんあたりがはっきりとしてきた。そうして見えたのは木でできた見知らぬ天井。
「・・・・・・。」
そして、次の瞬間。昨夜の記憶がまるで濁流の如く流れ込んできた。
「っ、!?」
思わず寝ていたところから飛び起きる。が、いきなり動かしたからか体が悲鳴を告げた。子供は声にならない叫びを上げる。痛みを感じる箇所を手で庇って、布団にうずくまってしまった。
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作者名:優咲ユウ | 作成日時:2024年1月28日 21時