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七話 ページ19

「うわあぁぁぁん!!」

「よ、よしよし鬼太郎〜。泣かないでくれ〜・・・・・・」






数日たったある日の夜。今夜はやけに不機嫌な鬼太郎を背負って夜道を歩いていた。よしよしとあやしながらなんとか鬼太郎を泣き止ませようと奮闘する。仕事から帰ってきてなお、こうも泣かれてしまうと流石の水木も応えていた。






「ほら、鬼太郎。星が綺麗だぞ。」

「うぅ、?」






空を見上げてそう言えば、星に気を取られたのかだんだんと機嫌が治ってくる。もう一息、と意気込んで体を左右に揺すりながら歩けば、しばらくして小さな寝息が聞こえてきた。






「寝た・・・・・・」






鬼太郎を起こさないように歩きながら、空を見つめる。拾った時よりも成長した鬼太郎。子供の体温と重みを感じて、少し情けなくなった。アイツなら、どうやって鬼太郎をあやしたのだろう。一緒になって泣いてるのかもしれないなんて考えて、ふっ、と笑みが溢れる。






「("アイツ・・・・・・?")」






ふと、己から出た言葉に思わず足を止めた。自分は今、誰を思い浮かべたのだろう。鬼太郎の父親はあの目玉じゃないか。






「疲れてんのか・・・・・・?」






だから、何故か悲しくなるのかもしれない。そういうことにして、水木は帰路についた。

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作者名:優咲ユウ | 作成日時:2024年1月28日 21時

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