今日:46 hit、昨日:93 hit、合計:8,376 hit
小|中|大
六話 ページ18
「"また"・・・・・・?」
水木が引っかかった言葉に首を傾けると、目玉はハッ、として頭を横に振った。なんのことだ。妖怪と関わったことなんか一度もないし、面倒ごとに首を突っ込んだ覚えもない。しかし、悲しそうに俯いている目玉を見て、これ以上追求する気はなくなってしまった。
「・・・・・・人間を攫う妖怪は多くいる。」
「例えば?」
「『隠し神』や『天狗』と言った所じゃ。」
どちらも子供を攫うことで有名な妖怪。
「何故そんなことを聞く。」
「最近、この辺りで人が消えるらしい。」
「人攫いか?」
「・・・・・・わからん。」
証拠がなければ説明しようもない。目玉は「そうか。」と答えると、口を閉じてしまった。目玉の言葉がぐるぐると頭の中を駆け巡る。彼奴は「また」と言った。それが何を意味したのかがわからない。考えても無駄だとわかってはいるが、何故だか目元が熱くなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
38人がお気に入り
38人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優咲ユウ | 作成日時:2024年1月28日 21時