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四話 ページ16

「っ、!?」






その瞬間、ゾクッ、!!と身が震え上がるような刺激が背中を走った。周りの音が止み、ヒヤリとした汗が頬を撫でる。夏だというのにやけに寒く、震えが走る。何かに当てられたかのような感覚。まるで、水木の思考すら冷徹に、残酷に否定するかのような。喉仏を動かして、視線の先、殺気を感じる方にゆっくり首を曲げるも、振り向いた時にはもう、それは止んでいた。






「水木?おい、水木。」

「・・・・・・!」






同僚に肩を掴まれて正気に戻る。冷や汗はまだ水木の頬を伝い、血の気が引いた感覚が体に残っているのが、これは夢ではないと冷静に教えてきた。






「大丈夫か?顔色悪いぞ。」

「水持ってくる。」






呼吸も荒くなっていたのだろう。一人は落ち着かせようと水木の背中を軽く叩き、もう一人は水を取りに行く。






「(・・・・・・なんだったんだ、)」






戦場でさえ、あんなに強い殺気を感じることはなかった。ただ、"何かマズいモノ"だったということだけは理解できる。水木はグシャリと前髪を掴むと、目を閉じて深い溜息を吐いた。

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作者名:優咲ユウ | 作成日時:2024年1月28日 21時

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