一話 ページ2
「ん〜・・・・・・はぁ・・・・・・」
じっとしているだけでも汗が出てくるほどに暑いある日。デスクで書類と睨めっこをしていた水木は顔を上げて伸びを一つした。
「お疲れ様です。水木さん。」
「ああ。お前もお疲れ。望月。」
「お茶淹れたんで、良かったらどうぞ。」
「すまねぇな。ありがとう。」
隣のデスクである望月とたわいない会話をしながら、水木は望月から湯呑みを受け取る。
「疲れが溜まってるように見えますけど、最近寝れてないので?」
「あー・・・・・・まあそんなところだ。」
「僕でよければお話、聞かせてもらっても?」
人当たりの良い笑みを浮かべてそう言う望月を見て、水木も困ったように笑う。対して面白みもないと答えれば、水木さんの話ならいくらでもと返された。
「最近、息子ができてな・・・・・・」
「え!?水木さん、いつの間に嫁さん貰ってたんですか!?」
「ばぁか、ちげーよ。色々あって孤児を育ててるっつーだけだ。」
「ああ、そう言う・・・・・・よかったぁ・・・・・・」
「なんで安心してんだよ。お前は。」
38人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優咲ユウ | 作成日時:2024年1月28日 21時