えくそちゃんお話詰め合わせ２ (ページ22)

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そんな気分でしたディオページ22

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私がこの街に引っ越して来た理由

それは駅近とは言えがたい場所にあるこの寂れた映画館に行くためだ。

昔からあるこの映画館の古びた雰囲気が好きで、休みの日には当てもなく見に行っていた。

大きい映画館で見る売れ筋な作品ももちろん好きだ

だけどもこの小さな場所で、各国の映画を見るのが何せ好きだった。
今日も仕事終わりにレイトショーのチケットを買う。
館長のおばちゃんと仲良くなっていた私は軽く話をしておすすめの作品を見ることにした

上映時間を待つ間ソファに座っていた時、ふと横に人気を感じた

最近よく見るようになった目がクリクリとしている男の子

この辺に引っ越したのかな、映画は好きなのかな
私の他に若い常連なんていないから少し気になっていた

「はいこれ、いつも来てくれるから飲み物サービスしてあげる。あんたたち、よく会うんだから顔見知りぐらいにはなりなさいよ」

館長はお節介で私たちを無理やり面会させる

「どうも…」

『あっ…どうも…』

元々積極性も社交性もほとんどない私はどうしていいか分からなかった。
だけどもそれは彼も同じなようで、お互い困惑していた。

後は若い人同士で！なんていって掻き乱すだけ掻き乱して戻っていた。

チラッと彼を横目で見ると目が合った

「あ……すみません」

「いえ。僕最近引っ越してきて。よく見かけるなとは思ってたんですけど、気になって僕から貴方のことを聞いたのが始まりなので、迷惑かけてすみません」

「わ、私も映画好きで、でもあんまり若い人見かけないから新鮮でした…」

「この映画見たら、少しご飯行きませんか？」

「えっご、ご飯？」

「その、変な意味じゃなく。友達もこっちにいないので映画の話をしたいなと思って…」

「ぜ、ぜひ！」

「じゃあ見終わったら、ここで。」

正直映画の後のことで頭がいっぱいで、映画の内容なんて覚えてなんかいなかった。

だって久々に映画を見た意外にこんなにソワソワしていたから。