愛のカタチ (ページ4)

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『悩みすぎ』

駅前のマックで項垂れている私を笑いながら、そう言い放つ樹。

『Aの奢りな』

という約束で、貴重な部活のオフを私に使ってくれた樹は、

慎太郎との関係に潮時を感じた私の相談を聞きながら、ポテトを食べる手が止まらない様子。

なかなか覚悟を決めない私を、急かすことも、投げ出すこともない樹。

この優しさに、何度助けられたのだろう。

いつまでもこの優しさに甘えて、慎太郎との別れを先延ばしにしていた私は、ようやく覚悟を決め、慎太郎とのトーク画面を開いた。

"明日の放課後会える？"

と打った画面を

「これでいいかな...」

とポテトを食べ続けている樹に見せると、

『いいと思う』

と返したのと同時に、樹の手が伸び、送信ボタンが押された。

「ねえちょっと！？」

まさかの行動に声を上げると

『声でけえよ』

と笑いながら人差し指を口元に立てる樹。

周りを気にしながら、恐る恐る画面を見ると確かに送られているメッセージ。

何も考えられなくなり、とりあえずポテトを口に含むと、

『こんなときでも食欲はあるんだな』

と、馬鹿にした台詞が飛んでくる。

目の前のポテトが空になると、止まっていた思考が少しずつ働き始め、

あのとき樹が送信ボタンを押してなければ、未だに迷っていた私がいたかもしれない、とほんの少しだけ感謝の気持ちが生まれた。