愛のカタチ (ページ18)

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話題が途絶え、訪れた沈黙。

試合の邪魔にならない位置でお互いにしゃがみ込んでいるおかげで、少し近く感じる距離。

楽しそうな表情で試合を眺めるジェシーとは反対に、気まずさを感じながら集団の方へ一目向けると、何か言いたげな表情の樹と視線が合った。

ここで言わなかったときの帰りの樹の騒がしさと言ったら、凄まじいだろう。

仕方がなく決意をした私は、いつも話しかけてくれるジェシーに初めて自ら話しかけた。

「あの...」

微妙な決心の中発したせいで、届くか届かないか微妙な声量だったが、隣の彼はバスケの試合から私に視線を移した。

"ん？"と言いながら言葉の続きを待ってくれている彼。

「もし嫌じゃなかったら...写真撮ろ」

なんとかそう伝えると、

『いいよ、俺も撮りたかったんだよね』

嫌な素振りを見せることもなく、了承してくれた様子に安堵し、ポケットに手を入れると、いつもはあるはずのスマホが今回に限って見当たらない。

どうやら、教室に忘れてきたらしい。

「ごめん、スマホ忘れちゃったみたい」

言い出しっぺの私が肝心のスマホを忘れてどうするんだ。

心の中で自分自身を責めていると、

『俺ので撮ろ、後で送るよ』

そう言いながら彼はポケットからスマホを取り出し、

『俺、腕長いから任せて』

と笑いながら言う彼は、写真を撮り慣れているのだろう。

慣れた表情で写真に映りながら、時折私のことを笑わせてくれたおかげで、写真が得意ではない私も、我ながらなかなかいい表情で映ることが出来た。