愛のカタチ (ページ2)

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『よっ、うわ～死んでるな～』

昨日のことを思い出しながら、溜息をつき、重い足取りで学校へ向かっていると

後ろからクラスメイトの樹が、そう声を掛けてきた。

『この様子だと、仲直り出来なかったんだろ』

樹は、小学校からの幼馴染。

昔からの付き合いということもあり、何でも相談し合う樹との最近の話題は、私と慎太郎のことばかり。

約束を放棄された私をその日、学校から家まで送り届けてくれ、

『明日仲直りしろよ』

と、笑いながら手を振る樹は、私にとって何よりも大切で温かい存在だった。

元々友達が多い方ではない私とは相反して、世の中の人間、全員友達なのではと思うぐらい友達の多い樹。

そのおかげで、あまり知り合いのいない高校でも、何人か友達が出来たから、そのときばかりは彼の交流の多さに感謝した。

なんとか学校に着き、教室へ向かう。

私たち一年生の教室は、最上階の四階。

階段を目の前に、

「いつになったらエレベーター付けてくれるの？」

と、文句を垂れる私に

『エレベーター代寄付しろ』

と真顔で冗談を放ちながら、両手で私の背中を押す樹。

一階に辿り着いたところで、

『一人で歩け』

と、投げ出された私は、結局樹と肩を並べて階段を歩き進めていた。