ずるいじゃん続 【灰谷竜胆】

ずるい 56 ページ7

いや、教室出たのはいいけどさ、







なんで追いかけてくんの。まじで。







え？？？これは止まって手広げて待ってた方がいいの？？？








後ろからはすごい勢いで蘭が三つ編みをなびかせて追いかけてきている。









この状況いつも追いかけてるのは私だけど物理的に追いかけられてるとかさマジで死ぬ。









私は別校舎の方へ全速力で走った、だがヤニカスの私は息が切れて過呼吸で死にそうだ。









「Aとーり。」


『いや、ﾊｧ…ﾊｧ、何で、あの女の子どーした。。』









蘭はぶりっ子みたいなポーズをしてうーんと唸ると「置いてきちゃった」と呟いた。









いや、かわいい。



顔面国宝









『はーーー。すき。』








いつもの様に言ったがなんだか今日は様子が変で、蘭は私の手を掴むと視聴覚室のドアを開けて私を放り込み鍵を閉めた。









『らん？』







私の目の前に来ると蘭は無言で私の首をつーっとなぞった。蘭の顔面が目の前にあって今にもキャパオーバーで死にそうな私は軽く死にそうだ。









「ね。Aって本当かわいーね。」



『え、ありがとありがとうありがとうございます、蘭にゆって貰えるように毎日毎日努力してて週二でパックしてんだけど。』









真剣に言う私をふふっと蘭は笑うとヨシヨシと頭を撫でた。

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