ずるいじゃん【灰谷兄弟】

ずるい 39 ページ40

私は朝から屋上に来ててスマホを弄っていた。








すっかり梅雨って感じジメッとした感じは無くなっていてカラッとした天気が続いている、蒸し蒸しと熱い陽気の中私は屋上の日陰のところで涼んでいた。







無性にタバコを吸いたくなり、大好きなアメスピの紫のタバコを咥え、火をつける。









『人生これがねーとマジでやってらんねーよ。』






ぼそっと声に出す。
ドアが開く音がして男女の楽しそうな声が聞こえる。







てゆーか男の方めちゃくちゃ蘭の声に似てるな。








「あれ。Aみーっけ。」









やっぱり蘭だった。



暑さのせいで幻聴聞こえてんのかななんて思ったけど蘭だった。嬉しさとで『蘭！』って吸ってたタバコを床に押し付けてかけよると、蘭の後ろには蘭に隠れるようにして女が蘭の制服の裾をぎゅっと掴んでいる。









は？？？


離れろよクソ女。









『あっれー蘭じゃん！1人？』


「んー2人？」


「あの、蘭くん…」






黙れ。





喋んな。






息すんな。









私は負けずに蘭の腕をぐいっと掴むと近くにいる女に向かってにっこりと笑うと上から下まで見た。









次は静かな子かよ。



毎回毎回連れてるタイプの女変わりすぎ。



病みそう。なんか涙出てきそ。







「ごめーん。先帰って？？？、」


「え？？」




蘭が私の肩を抱いて急用入っちゃったって。



え？？



結婚する？？？？？




蘭の方をバッと見ると竜胆とはまた違って、セクシーな表情で、色気たっぷりな笑顔で微笑んでくる蘭。





心臓がドキドキしてて、もう飛び出しそう。



口から出そう。





女は「そっか、」って寂しそうな顔をして屋上を出ていって、やっと蘭と2人きりになれた。




『さっきの子可哀想じゃない？』


「えーAと一緒にいたくて」









そう言うと、しゅんっとする蘭。









その顔、弱いって知っててやってる？

絶対狙ってるよね？？？？

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