ずるいじゃん【灰谷兄弟】

ずるい 33 ページ34

竜胆は下に止めてあったバイクにまたがると「乗れよ」と私のほうを見て言った。









『え、バイクのんの初めてなんだけど。』


「落ちんなよ」









恐る恐るバイクにまたがるとブォンっと大きな音と共にバイクを走らせる竜胆









てか、これ大型じゃね？




お前免許ねーのになんで運転できんだよ。




大型って車の免許ないと乗れんくね？









なんて考えながら以外にもがっしりとした竜胆の腰に手を回した。







初めてのバイクは7月の梅雨時だから風は少し生暖かくて外は少し薄暗く、竜胆のふんわりとした柔軟剤の匂いがした。









『りんどー意外と筋肉あんねーーー！！！』


「あんま触んな。落とすぞ！！！」


『落としたら傷がついてお嫁に行けないーーーー』


「そんときは俺が貰ってやるよ。」


『やだ。蘭がいいー！！！！！』






バイクの音で声が通らないので大きな声で叫ぶ竜胆とA。竜胆は何を思ったのかバイクをわざとぐらぐらさせた。







『竜胆！落ちる！落ちるから！！！やめてよ！！』








竜胆は大きな声で「ばーーーーか！」と叫ぶとぐらぐら運転をやめてくれた。優しい。








家に着くと私をバイクからおろしまた来いよ、と言ってくれる竜胆は蘭に少し似てるけどやっぱり全然似てなかった。









『気おつけて帰ってね。』


「おやすみ。」








竜胆は再びバイクをブォンブォンとふかすと帰ってしまった。









私は竜胆を見てふと思った。







ねるねるねるねのあれに似てるね。






でも言ったら絶対怒るから絶対言わずに心に止めといておこうと思った。

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