【恐怖症シリーズ】虫恐怖症〜緑川駿〜【ワートリ】 (ページ13)

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恐怖症10 ページ13

「で、中学はどうだ？」

出水先輩が尋ねてくる。

「楽しいですよー」

ニッと笑ってそう答えれば頭をくしゃくしゃと撫でられた。

「良かったな」

「はい」

「んで？緑川、もう少しで卒業するぞ？告んないのか？」

飲んでた紅茶を思わず吹きそうになり、蒸せる。

「な、な、何言って…」

「ぶはっ、顔真っ赤〜」

出水先輩に指さされて笑われる。私は怒ったように「もー！酷いです！」と言う。

「そーいや、さっき緑川、女子に呼ばれてたんだよなぁ。今頃告られてるのかなー」

棒読みとも取れる出水先輩の言葉に告られてるのワードがあって、私は出水先輩を置いて走り出した。

駿先輩がどこにいるかもわからないのに。

がむしゃらに走って人気のない廊下に差し掛かったところで駿先輩の後ろ姿を見つけた。

「駿先輩！」

振り返る駿先輩の目の前には顔を赤らめた女の子

近寄る私を睨むその女の子をよそに駿先輩は私の手を引いて抱き寄せる。

「ごめんね、俺、この子のこと好きなんだ」

そう言われて泣きながら去ってく女の子に駿先輩のうでの中で顔を真っ赤にしてる私。

「で、さ。返事、そろそろ聞いてもいい？」

思い返すのは勇斗にいじめられてた頃に言われた好きというワード。

「駿先輩、あのね」

「私も好きです」その言葉に駿先輩が喜んでくれるのはあと数秒後＿＿。