恐怖症3 ページ4
「Aー迎え来てんぞー」
いつもなら、私が先に気づく辻くんの到着に気づいたのはクラスメイトのうちの一人の男子だった。
「え?何、付き合ってるの?」
「まさか〜あの子が?」
「あ、でもさ、あの先輩女子苦手じゃなかった?話しかけても顔真っ赤にして返事まともに出来ないって話だよ?」
「じゃあ、女として見られてないんじゃん?」
クスクスと嘲笑うかのような、そんな笑い声と小さな陰口が聞こえてきた。ここに菊地原がいなくて良かった、と先にでた二人を思い安堵する。あの二人がいたらきっと怒ってた。
「ま、女としてみられてなくても、あんなヘタレ、こっちからお断り…」
そこまで聞こえた、その瞬間、右手に鈍い痛みが走り、机がガンッ!と揺れた。私が、机を殴った音だった。
そしてツカツカとその話をしていた女達の所へ歩みより、机を足で蹴る。
ガァンッ!その机は回りの机も押し退けて一メートル先へと飛んでいく。
「ねぇ、今、なんつった?」
自分からこんな声が出るのかと驚くほどに低い声だった。
「は…?え?」
「何て言ったんだよ!あ"!?」
怯え、震える女子達に何事かと驚くクラスメイト、そして、こちらへ来ようか迷っている辻くん。
「辻くんがヘタレ?ふっざけんな。お前らごときが辻くんの何を知ってそんな口叩いてんの?何様?だいた…」
そこまで言うと、口が塞がれた。口を塞いだのは、辻くんの左手。そのまま後ろから私を抱き締めるような形で、止めに入ってくれていた。
「A…もう、いいから」
やっと離された左手。いつの間にか私の瞳からは涙が溢れていた。
「だって、辻くん…」
「俺はいいから。ほら、本部行くんでしょ?」
そう言って手を引かれ、教室を後にした。
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すおう(プロフ) - リクエストで緑川駿くんの暗所恐怖症お願いします! (2022年11月4日 0時) (レス) id: f4d272d91f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊凪 | 作成日時:2021年1月13日 20時