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ハン「礼拝堂は石造りだ。破壊するには相当な時間と労力がいる。盗賊なら盗るもん盗って、さっさと逃げるべきだろう。それに、その盗賊を見たのはロッド・レイスただ一人、その後、彼は自分の財産で礼拝堂を建て直している。なぜだろう？」
この問いに緊張が走り、皆分隊長に注目する。
こらモブリット、前を見なさい。と、ジェスチャーするが、見えていないようだった。まぁ整備されている道だし、大丈夫かと、僕も分隊長を見る
ハン「もはやここに、巨人の存在がなかったというほうが、不思議なくらいだ。これが私の早合点だとしても、こんだけ怪しければ十分、我々が向かう価値がある筈だ。夜が開ける頃には兵団がレイス領に送り込まれる。
それまで、レイスは待ってくれないだろう。私達が急がないと、エレンが食われるかもしれないっ！」
巨人になれる人間を巨人が食べることによって、その能力は継承される。もし、それが本当だとしたら、エレンはいつどうやって巨人になり、誰を食べて巨人の能力を継承したんだろう…。この壁の中に、まだ巨人がいる可能性はゼロではないのか？
背筋がゾクッとしたところで、リヴァイさんが切り裂きケニーの事を話し始めた
リヴ「いいか、切り裂きケニーだ。ヤツがいればそれが一番の障害になる。脅威の度合いでいえば敵に俺がいると思え。いや、あの武器がある分、俺よりも厄介だ」
サシ「じゃあ無理ですよ、私たちじゃ…」
コニ「兵団との合流を待つってのは…」
ミカ「絶対ダメ」
コニ「そう絶対ダメだ！朝まで待ってたらエレンが食われちゃうかもだからなっ！」
アル「でも、兵長の話を聞くかぎり、弱点がないって訳でもないと思うな」
ハン「しかし、一緒に暮らしていてそれしかケニーの情報がないって、どういう事だよ？リヴァイ」
リヴ「悪いな。ヤツのフルネームも、知ったばかりだ。ケニー・アッカーマンって名前らしいが、お前の親戚だったりしてな」
リヴァイさんはミカサの方をみてそういった。そしてミカサは自分の親の話をし始めた。
ミカ「なぜアッカーマン家が迫害されていたのかは分かりません。母のような人種的差異が父にあったようには見えませんでしたし」
リヴ「お前、あるとき突然力に目覚めたような感覚を経験したことがあるか？」
その言葉に、ミカサ以外に、僕も反応する。なぜ、リヴァイさんはこの質問を…
ミカ「あります」
リヴ「なぁA、お前も身に覚えがあるんじゃないか？」
『っ、はい…』
脳裏に浮かぶ、あの瞬間
雨と血の匂いと分隊長の声
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作者名：れもんっ | 作成日時：2023年4月7日 3時
