分隊長のストッパー【スリー】 (ページ38)

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次に目を覚ました時は、兵舎の医務室にいた。一度だけ、ここにお世話になった事がある。初陣に行く前に、モブリットと立体機動の訓練をした際に誤って墜落してしまったのだ。
あの時もモブリットに迷惑を掛けてしまったな…。

ぼけーっと考えていると、僕は記憶がない事に気付く。寝て頭が整理されたのか、体が不調を訴えることは無くなっていた。

服は隊服を着ていた。まだこちらに運ばれてきて間もないのだろう

そう考えているとドアが開いて、モブリットとハンジさんが部屋に入ってきた

慌ててハンジさんに敬礼をとると、笑われた。気絶する前に会ったハンジさんと比べると、妙なくらいに明るくなっていた

ハン「ははは、君にそれをされるのは何年ぶりかなぁ」

モブ「6年とかそんくらいじゃないですかね？」

『6年って……僕は調査兵団でどんな事をしていたんです？』

僕自身もそうだが、モブリットのことも気になる。あとでじっくり聞いておこう

ハン「君は私の班員だよ。モブリットは副長。……ああ、あれは言っておいた方がいいと思うかい？モブリット」

モブ「あれって……あの事ですか？」

ハン「そうそう！私とAの関係、教えておいた方がいいかな？ああ、でも…あの時のAの反応も観察してみたい…！！どうしようかなっ！！」

モブ「私はどっちでもいいですけど、記憶が戻った時に怒られても知りませんよ？」

ハン「はいはい分かったよ！」

モブリットとハンジさんのやり取りをみて、心が暖かくなる

なのに、何故だろう

こんなにも悲しいのは

ボヤりと2人の後ろに、三つの影が見えた

『まっ……』

右手を前にだして、言葉が出た。2人とも声は聞こえなかったようで、首を傾げてこちらを見た。僕だって困惑している。さっきからこんなのばっかだ

悲しくなって、辛くて、涙が勝手にでてくる。すいません、と2人に謝罪するが、それで涙がとまるはずがなく、どうしようかオロオロとしていると、ハンジさんに抱きしめられた

ハン「大丈夫、焦らなくていいし、心配もしなくてもいい。調査兵団の仕事はしてもらうが、とりあえず脅威はさっているから、時間は沢山ある……ね？」

暖かい、そう思う。ハンジさんが抱きしめてくれると、涙はピタリと止まった。それを確認したハンジさんは離れて、頭と右手の包帯を変えてくれた

モブリットを見ると、目が合う。それに気づいたモブリットはこちらに近寄ってきて、頭を撫でてくれた。訓練兵の時はよく撫でてくれたっけ。とても懐かしく感じた