分隊長のストッパー【スリー】 (ページ22)

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ハロ「今日は特別な夜だが、くれぐれも民間人に悟られるなよ。兵士ならば騒ぎ過ぎぬよう英気を養ってみせろ！」

ケイ「肉か…？これ……」

アー「うっそだろおい…すげぇなこりゃ」

『僕に感謝してくれてもいいんだぞ』

ハロ「今晩はウォール・マリア奪還の前祝いだ。かんぱ〜い！」

調査兵たち「うぉぉおおー！！！！！」

かんぱいの合図は戦争の合図だったらしい。調査兵たちが雄叫びをあげながら机の上に置いてある肉に群がりはじめた

僕はこうなるのを予想して少し離れた位置に、僕たちの班だけの机を用意しておいた。もっとも、分隊長は分隊長たちが集まる席にいるが

ニフ「お肉！！久しぶりに見ましたよっ！！」

モブ「向こうは地獄絵図だな。Aどうやって仕入れたんだ？」

『リーブス商会に頼んでね。2ヶ月分の食費をつぎ込んだよ』

昨日制作した書類に書いてある金額を思い出してブルりと震えた。これはウォール・マリアを奪還しなければ、民間人に刺されそうだな

口角が若干引き攣ると、背中をバシりと叩かれた。あまりの衝撃に咳き込んで叩いた主をじろりと見ると、嬉しそうな顔でありがとうと言われ、なにも言えなくなった

アー「流石俺らのA！！ありがとよ！！」

『全く…提案したのはハロルドさんだよ。僕は交渉しただけ』

照れ隠しで肉を1枚とってむしゃむしゃと食べる。美味すぎて少し固まったが、悟られないように再度食べ始めた

『あ、二ファもっと食べなよ。僕の分もあげるから』

ニフ「え？！そ、そんな、そしたらAさんの文が無くなっちゃうじゃないですか！！」

『いいのいいの。二ファにはもっと筋肉をつけて欲しいからね！！っと！！』

有無を言わさずに開いている口の中に肉を突っ込んだ。僕が食べるより、二ファが食べた方がいいだろう。その方が二ファの力になる

そう思っていると、横から手が伸びてきて口の中に肉が突っ込まれた。驚くと同時に勢いで飲み込んでしまう

モブ「Aは直ぐに怪我をするから食っといた方がいいんじゃないか？」

そう悪戯に成功して嬉しそうな子供みたいに笑うモブリットに呆気にとられる。暫し固まっていると、モブリットの口に肉が突っ込まれる

ケイ「いつも分隊長とAのお守りで疲れてる副官にプレゼントだ！！ｳｸﾞ!!」

アー「直ぐに血が上るケイジには肉が必要なんじゃないか？！」

ニフ「え、？えと、わた、私もアーベルさんにっ！！しゃがんでください！！」

『あれ、エレンとジャンが喧嘩してる』

後ろで喧嘩が勃発しているのを他所に、僕達は肉の食べさせ合いっこを分隊長が来るまで続けた