分隊長のストッパー【スリー】 (ページ21)

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エル「つまりエレンの父、グリシャ・イェーガーは壁の外から来た人間である可能性が高いと」

ハン「そう、アニやライナー、ベルトルトと同じように彼は巨人の力を持っていたしね」

『でもその3人と違うのは、壁の中の人類に協力的だったってことです』

クラ「調査兵団に興味を持ってたって話なら、もっと協力してくれてもよかったんだがな」

ハン「どうかな。恐らくはこの壁に入ってから、独力で王政を探るなどしていたんだろうし、いずれにしても、凄まじい意識と覚悟がなきゃできる事じゃない

そんなお父さんが、調査兵団に入りたいと言った10歳の息子に見せたかった家の地下室。死に際にそこに全てがあると言い残した地下室。そこには一体何があると思う？」

分隊長の問に、一瞬目を曇らせ下を向きエルヴィン団長はポツリと話す

エル「言ってはいけなかったこと……いや、グリシャ・イェーガーが言いたくても言えなかったこと。つまり初代レイス王が、我々の記憶から消してしまった世界の記録…だと思いたいが、ここで考えたところで分かるわけがない

本日で全ての準備は整った。ウォール・マリア奪還作戦は２日後に決行する。地下室には何があるのか？知りたければ見に行けばいい

それが、調査兵団だろ？」

その言葉を合図に皆各々外に出る

『シャーディス教官の隠匿罪はどうします？』

ハン「放っとけばいい。あんなのに構ってる暇はないよ」

マレ「ショックだよなハンジ。あんたの憧れだったのに」

ハン「うるさい！あっ」

『そうだったんですか……どうりで……』

あの時も今も怒った分隊長の様子に納得した。分隊長が心配でこの会議に着いてきたが、理由が知れてよかった

ハロ「おいA、前に頼んでおいたヤツは準備できたか？」

『あ、はい！リーブス商会に頼んでみたら許可降りました』

ハン「ん？なんの許可？」

ハロ「そりゃあ新兵に肉を食わせてやるんだよ！」

ハン「肉！？どうりで最近Aが出掛けてると思ったら…そういうことね」

ハロ「常々思うが、いい部下を持ったな。どうだA！やっぱり俺の班の副官になるか！？」

『え、僕は「ダメだダメだ！！Aは私の班なんだから！」

お断りしようと思ったが、分隊長が横から割り込んできて僕の腕を掴み走り出す

顔が一気に熱くなり、下を向いて顔を隠す。もうそろそろ慣れないととは思うが、やはり貴方が好きで愛おしくて仕方がないから慣れそうにないんだ

『僕はずっと、貴方の傍にいますよ』

そう絞り出して言えば、分隊長は立ち止まって振り返り、安心したように笑った