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ハン「彼はエルヴィンの1つ前12代調査兵団の団長だよ」
馬を走らせながら、キース・シャーディス元団長の事を思い出す
あまり絡むことはなかったが、何度か分隊長に昇進してほしいとお願いされたっけ？呼び出されて言われる度に、分隊長は僕がいないと死んでしまうと言ってたな
懐かしいことを思い出していると目的地についたようで、少し先に人影が見えた
エレ「シャーディス教官！」
キー「どうしたブラウス？座らんのか？」
サシ「いいえ！！！私めはここで結構です！！！」
キー「確か、お前は…この教官室に呼び出されてはよく絞られてたな。あれからたった数ヶ月、みんな見違えるように変わった」
僕もここに呼び出されては喝を入れられていたな。訓練兵の成績はみるも耐えなかった。よく卒業できたと今でも感心するが、少しでも兵力が欲しかったんだろうなと思い複雑な気持ちになる
ハン「シャーディス団長、いえ教官殿。ウォール・マリア奪還を目前に控えた我々が、今ここに詰め寄る理由を察しておいででしょうか？」
教官は分隊長の方に向いていた視線をエレンに向け、エレンじゃない人を見ているような目付きになる
キー「エレン。お前は母親とよく似ているな」
エレン 「っ」
キー「だが、その瞳の奥に宿す牙は父親そのものだ」
エレ「話してください！知っていること全て！！」
キー「何も知らない。結論から言えばな。だが、人類の利にはなりえない話で良ければ聞いてくれ。傍観者に過ぎない、私の思い出話を」
そう言って語り出したのは、遠い昔の話。20年前の話だった。初めは、そう、シガンシナ区壁門の目前に、彼がいた。エレンの父さん、グリシャ・イェーガーだ
エレ「それだけ…ですか？」
キース・シャーディス教官が話したのは、人類の利になる話ではなかった。途中から分隊長の様子が変だったので、そちらの方に意識がいってしまっていた
ハン「あなたが退いた本当の理由が分かりました。死んでいった部下への贖罪ではなく、自分が特別じゃないとかどうとかいったそんな幼稚な理由でここにいる」
ああ、やはり怒っている。そりゃそうか。分隊長はキース・シャーディスに憧れていると、昔耳に入ったことがあった
『やめましょう、ハンジさん』
流石に元団長で現教官なので咎めるが、分隊長は止まらない
ハン「あんたの劣等感なんかどうでもいい。現実から逃げるな。公に心臓を捧げるとはそういうことだろ！」
エレ「やめてくださいハンジさん」
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作者名：れもんっ | 作成日時：2023年4月7日 3時
