分隊長のストッパー【スリー】 (ページ13)

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分隊長が怒りを含ませてそういった。当然だろう、僕達調査兵団は、巨人から人類を解放するために命を懸けている。なのに、人類を巨人から解放される術を知っているのに、壁内でコソコソ隠れて暮らしていたら、そりゃ怒るだろう

エレ「つまり、まだ選択肢は残されています」

エレンは覚悟した顔で話し始めた。俺をアノ巨人に食わせれば、ロッド・レイスが人間に戻り、人類は救われると

もし人間に戻ったとしても、洗脳が解ける確証がない。解けなかったら、また記憶を改ざんされたら終わりだ

と考えたら、ヒストリアが全部言ってくれた

ヒス「つまり、始祖の巨人の力について未知の要素が多すぎると思います」

『今のロッド・レイスがエレンを食べて、まともに元に戻るのかってこと自体、何ひとつ確証がないしね』

遠くからでも見えるロッド・レイスの巨体を見て言った。そもそも顔がぐちゃぐちゃになって口が無いかもしれないから、巨人の力を継承させることも難しいだろう

ヒス「むしろ、あの破滅的な平和思想の持ち主から始祖の巨人の力を取り上げている今の状態こそ、人類にとって千載一遇の好機なんです！」

ハン「私もそっちの意見に賛成だ。けど、いいのかい？ヒストリア。用のない巨人を、壁の中で自由に散歩させてあげるわけにはいかない。あのサイズじゃ拘束も無理だろう。つまり…君のお父さんを殺すほかなくなる」

沈黙が流れる。ヒストリアは巨人になったロッド・レイスを眺めて、決意した顔になる

ヒス「エレン、ごめんなさい。礼拝堂の地下で、私は巨人になってあなたを本気で殺そうと思った。それも、人類のためなんて理由じゃないの。お父さんが間違ってないって信じたかった。お父さんに、嫌われたくなかった。………でももう、お別れしないと」

前方にはウォール・シーナの壁が見えていた

オルブド区の兵団支部に到着し、すぐ馬から降りて分隊長の所に向かった

『ハンジさん、怪我は？』

ハン「少し痛むかな」

分隊長は苦笑しながらそういった。ゾクリとまた怒りが込み上げてきたが、もう終わったことだ、それにアイツはちゃんと殺した、分隊長を今は優先だろうと、自分に言い聞かせ落ち着かせる

少し揺れますよ、と言いながら分隊長を横抱きする。先程、班員達に消毒と包帯の準備を頼んでおいたので、班員達の元へ急いだ

ハン「…っA、よく平気でできるね？！」

『これが一番無理のない体制なんですよっ！嫌でしたか？』

ハン「いっ、や、じゃない、けどさ…」

『え』

なんですかその可愛い反応、ホントに好きです