分隊長のストッパー【スリー】 (ページ1)

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皆とこれからの事を考えていると、モブリットが部屋にやってきた。その顔は心なしかやつれているように見える。労ってやろうと立ち上がると、モブリットが真剣な目でこちらを見てきた

モブ「中央憲兵の奴ら、このままだと何も話さない…リヴァイ兵長も分隊長も分かっておられるだろうが、何か策があるだろうか…」

『分隊長の事だ、ある筈だよ…。痛みでは話さないだろうから、もっと別の方法を……』

頭を少し捻ってみるが、分からない。僕だったら何をされたら話す気になるかな

二フ「なんでしょうかね？」

アー「痛みじゃなくて、もっと他の方法か」

ケイ「何とかなるだろう。なにせ、リヴァイ兵長と我が分隊長が直々に聞き出そうとしてるんだ、情報を引き出せない方がおかしい」

『確かにそうだな』

僕たちの楽観的な意見を聞いて安心したのか、モブリットの顔色が明るくなる。そしてモブリットは拷問の続きを行うらしく、部屋から出ていった。そして、入れ替わりにアルミンがドアをノックしてドアを開けた

アル「Aさん、見張りの交代です！」

『アルミンだね。お疲れ様、ゆっくり休んでね』

アル「ありがとうございます！」

アルミンは敬礼をしてドアを閉めた。部屋の隅に置いておいた立体機動装置を装着していると、アーベルが近寄ってきた

アー「気をつけろよ、いつ勘づかれるかわかんねぇからな」

『分かってるよ。何か異常があったら、すぐ連絡する』

そう言って部屋の窓から、立体機動で屋根に登った

屋根の上には104期生のジャン・キルシュタインがいた。僕に気づくとすぐ敬礼をし、また警戒態勢に戻った

その姿を見て感心しながら、僕も周囲の気配を探る。虫が鳴く音しか聞こえる。数十分くらいそうしていると、ジャンの気配が動く。ピクっと反応すると、ジャンが話しかけてきた

ジャ「あの…こんな時にあれなんですけど、質問しても良いですか？」

『ああ、いいよ。辺りには誰も居なさそうだしね』

そういえば、ジャンは聞きずらそうな、でも好奇心が勝っているような顔で聞いてきた

ジャ「Aさんってハンジさんのこと好きなんですか？」

『へ…？』

予想外のことを聞かれ、思考回路が一瞬ぶっ飛ぶ。慌ててぶっ飛んだ思考回路を回収し、頭を振って冷静になろうとする。
が、冷静になればなるほどジワジワと顔が熱くなる。それと反対にジャンは予想が当たっていそうで嬉しいのかキラキラしていく。
ああ、思春期の男子だなと思いながらその質問に答える

『好きって言葉じゃ合わないくらい好き、だよ…』