7話 ページ8
「蓮はどうだったのですか？留学。」
自分の話が終わると
蓮の話を求めた
蓮は変わらず答える
『……さぁ、
…俺には……分からない………。』
「…そうでしたか。
パリには僕も一度だけ訪れたことがありますが
街並みが美しく、壮観でしたね。」
ふと哀愁じみた表情をするも
遊莉はすぐにニコニコと笑顔を浮かべる
「いつか貴方と行ってみたいものです♪」
『……そう……。』
その後は2人クラスが違うので別れ
蓮は初の2年A組の教室に入る
チラッと見渡せば皆蓮に視線が集中している
それに構わず彼は近くにいた青年に声をかける
『……席………どこ…？』
「えっえっ、俺？
えっと…窓際から2列目の…後ろから…2番目かな？」
『……そう……。』
それだけを言って蓮は自分の席についた
「え、何？」
「あれじゃね？留学した…。」
「てかあいつって白華蓮だろ？」
コソコソと小声で会話する者たちは
自然と蓮から距離を取っていた
一方で蓮は持ち物の中から一冊の本を取り出し
読書をし始めた
そんな彼にある1人の生徒が話しかける
「白華蓮だな。」
『…………。』
「俺は氷鷹北斗。
このクラスの委員長を務めている。
お前のことは知っているぞ。
入学式当日に遅刻したということで有名だ。
そして今回まで遅刻をするとは…
学級委員長として放っておけない。」
北斗がそう言ったのを
蓮は横目で見ると再び本に目を向けた
「…おい。聞いているのか？」
『………聞く必要はない……
そう判断した…だけ……。』
「何？」
蓮は続けた
『………関係ない……それだけ……。』
その言葉に北斗はムッとする
「悪いが関係はあるな。
一つの行動でクラスの指揮が乱れる。」
蓮はそれを聞くと初めて北斗の顔を見た
北斗は向けられた彼の顔見て息を呑む
１つの歪みのない端正で美しい顔は
じっと北斗だけを見つめた
そして言い放つ
『…………不思議だね……変……。』
「…は？」
蓮は視線を戻し読書を再開する
一方で北斗は呆気に取られた表情をした
目の前にいる人間がちっとも分からない
彼は諦めて蓮の元を去った
『………君が言うんだね…………。』
ボソリと溢れたそれは誰の耳にも拾えなかった
- 金 運: ★☆☆☆☆
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クリきんとん(プロフ) - 突然コメントすみません失礼します。凛月くんが英智様のことを呼ぶとき、せっちゃんではなく、えっちゃんだったような気がするのですが、、、私の間違いでしたら、すみません。37話を見ていて、ふと思ったので、コメントさせていただきました。失礼しました (2022年3月23日 3時) (
レス) @page40 id: 8473a87ec5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アニット9 | 作成日時：2021年8月16日 19時
