37話 ページ41
「ふふ、気に入ってもらえたようでよかったよ。
あんずちゃんにも、お礼を言わなくちゃね。」
そう言って英智もエプロンに手を通した
ここまで一言も喋っていなかった蓮も一緒になって着替え始める
しかし手を通すまでは良かったものの、背後の紐を上手く結べず手元をもちゃもちゃと動かしていた
「…あの、手伝いましょうか？」
それを見兼ねてか、創は蓮に話しかける
『……ぅん…。』
すると創は「失礼しますね。」と言ってテキパキと紐を結び始めた
手際がいいのか直ぐに終わり、綺麗なリボン結びになっていた
「出来ました！」
ニコニコと笑顔を見せる彼を見て蓮は小さく口を開けた
『…ぁりがと…ぅ…。』
「！…はい♪
お役に立てたようで良かったです。」
創はホッと胸を撫で下ろす
すると彼の肩にノシッと重みがかかる
「はーくん、俺のも手伝ってー♪」
母親に甘える子供のように縋る凛月を見て
創は元気よく返事をするとせっせと着替えさせる
「甘えん坊さんだなぁ。ふふ。
僕たちもあんな風に抱き合ってみようか？」
『……別に…。』
「乗る気じゃないのかい？残念だなぁ。」
残念だと言う割には楽しそうに笑う英智
蓮は特に触れもせず、テーブルの上にあったメニューを見返していた
「実はね君にこの30分以内…と言ってももう20分もないけど、
この紙に書いてあること全てを覚えて欲しいんだ。」
そう言って渡されたのは3枚ほどの紙で
横に文字がずらりと並んでいた
「本当はもっと早くに渡すべきだったのだけれど、
なんでも今日の朝思いついてね。」
蓮はペラペラと一通り見てみると
内容は接客する際の台詞であった
凡ゆるパターンに合わせ決められた台詞が設定されているようでその数は一面ごとに20パターン、表裏合わせて120パターン程ある
「敬人にも手伝ってもらったんだ。
少し多いような気もするけど、君なら出来ると踏んだ。
やってくれるかい？」
『……分かった。』
そう言うと蓮は早速1枚目の片面から見始めた
視線を横から下、横から下へと動かす
英智はその様子を見て笑みを浮かべた
「(素晴らしい頭脳だ。
去年は彼もメンバーに加えたくて、あっさり断られちゃったけど、
無理矢理でも手に入れるべきだったかな。
入試でも筆記トップに加え、歌唱力ではうちの渉のスコアを上回っている。
…惜しいなぁ。)」
蓮を見据える瞳は哀しみを含んでいた
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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西 - この方角に福があるはずです
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クリきんとん(プロフ) - 突然コメントすみません失礼します。凛月くんが英智様のことを呼ぶとき、せっちゃんではなく、えっちゃんだったような気がするのですが、、、私の間違いでしたら、すみません。37話を見ていて、ふと思ったので、コメントさせていただきました。失礼しました (2022年3月23日 3時) (
レス) @page40 id: 8473a87ec5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アニット9 | 作成日時：2021年8月16日 19時
