27話 ページ30
「聞いたよ。
ライブは大成功だったらしいね。」
『……。』
ニコニコと笑う英智とは対照的にぼんやりとした表情をした蓮
そんな2人が並んで歩くのをすれ違う人たちは振り返り見た
「それにしても君は不思議だね。
あの賭けに負けると分かっていながら僕の提案に乗るなんて。」
『……深い意味は…ない……。』
あの賭けとは、
DDDの準々決勝にて
蓮と英智の間での賭博であった
「なるほど。
決めるのが面倒だったのかな。
ふふ、全て君の掌の上だったみたいだね。
悔しいなぁ♪」
『……大袈裟…。』
側から見れば何一つ理解できない会話
そんなこんなしているうちに
どうやら彼らの目的地に着いたようだ
「さぁ、ようこそ。蓮くん。
紅茶部へ♪」
着いた先は、お茶っ葉の香りが漂うガーデンテラスで
自然の温かみと神聖さが感じられる
「今日は僕たちが1番乗りだね。
他の2人が来る前に準備してしまおうか。」
英智は楽しげにティーカップやティーポットを手に持つ
すると蓮は手に持っていた紙袋をテーブルに置いた
「おや、それは“Ciel”のお茶菓子だね。
わざわざ持ってきてくれたのかい？」
『……遊莉が…持っていけって……。』
「それは楽しみだ♪
楽しいお茶会になりそうだね。」
そうして手慣れた手つきでティーカップに紅茶を注ぐ
上品な香りが特徴的なそれをテーブルの上に置くと
蓮に座るように言った
「君の歓迎会みたいなものだよ。
ゆっくりしててね。」
『………。』ｺｸ
蓮は半ば強引に座らせられると
ティーカップを手に取り一口お茶を流す
『……ぁっつい……。』
「もしかして猫舌だったかな。
このお茶っ葉は冷めても味が落ちないから、
ゆっくり飲んでね。」
蓮は静かにカップを置く
するとそこに1人の部員が現れた
「すみません！遅れましたぁ！」
水色の髪を揺らしながら小走りでやってきたのは
紫之創
DDDで大きな成果を残した彼らは前よりも忙しくなっているようで
珍しく遅刻してきたらしい
「こんにちは、創くん。
待ってたよ。」
創は申し訳なさそうに眉を顰めると
初対面の蓮を見て肩を揺らした
「あっ…あなたは…。」
「今日からうちの部員になった白華蓮くんだよ。
で、こっちは1年生の紫之創くん。
これで紅茶部はもっと賑やかになるね。」
ふふっと上品に笑う英智を見て
創は苦笑いをした
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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クリきんとん(プロフ) - 突然コメントすみません失礼します。凛月くんが英智様のことを呼ぶとき、せっちゃんではなく、えっちゃんだったような気がするのですが、、、私の間違いでしたら、すみません。37話を見ていて、ふと思ったので、コメントさせていただきました。失礼しました (2022年3月23日 3時) (
レス) @page40 id: 8473a87ec5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アニット9 | 作成日時：2021年8月16日 19時
