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旅人side
バタンッと無機質に響く扉の音、続け様に階段を降りる足音。その音は段々と小さくなっていき遂には、足音すら聞こえなくなった。
暫しの静寂…
それを破ったのは、
灯「また…行っちゃった……。」
ﾎﾞｿｯと、悲しそうに呟いた灯衣の声だった。悲しいのも無理はない。折角、再び会うことができたのに、また引き止めることができなかったのだから。けれど実際、彼を引き止めるのは難しいと思う。初対面だし、殺し屋は殺人を仕事にしてる。誰もが軽蔑し、恨み、恐怖する存在だ。彼もそれをわかっているから逃げる様に立ち去って行く。
でも…
旅「ごめんね、灯衣。うまく引き止められなかった…。」
灯「ううん、パパのせいじゃないよ。」
また会えると言ったのは僕だ。その僕が引き止められなかった上、危うく殺され掛けた。けど灯衣は、そんな僕を許してくれる。
旅「ありがとう、灯衣。」
ゆっくり灯衣の頭を撫でた。
灯衣は伏せていた目を上げ、僕と目を合わせた。
すると、また小さな声で
灯「次は…いつ、会えるの？」
そう聞いてきた。でも、もうAさんと会う口実は思いつかない。だからいつ会えるのかもわからない、もしかしたら、もう二度と会うことができないかもしれないのだ。
雪「次…？」
ボソッと、これまた小さな声で、しかし苛立ちを含んだその声を、ソファの後ろで亀吉と立っていた雪路が…
雪「次ってっ…？、なんで、また会おうとしてんだよっ」
歯を食いしばりながら、絞り出すように発した。
亀「雪路さん…」
灯「雪路待って！あのお兄さんはいい人だよ？？だって、灯衣を助けてくれたんだから！」
灯衣がそう言っても、雪路は首を横に振った。
雪「わかんねぇよ、二人が、何でそんなにあいつを気にかけるのか。何で、会いたがってんのかもっ」
僕と灯衣を交互に見た雪路の感情は、怒りと焦り、そして、悔しさがあった。
旅「…どうしてなのか、ちゃんと話すよ。だから落ち着いて？雪路。」
雪路に近づき、落ち着かせるため背中に触れようとした。
ﾊﾟｼｯ
旅「っ……。」
雪「…悪ぃ、外出てくる。」
触れようとした手を払われた。
そして僕の横を通り過ぎ玄関へ迎う。
陽「あっちょっ、雪路さん！」
灯「雪路！！」
亀「雪路さん！？ああっ俺追いかけます！！」
一度も振り向かず、外に出て行った雪路を僕は止めなければならなかった筈なのに、言葉が出ず、引き止めることができなかった。
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扇(プロフ) - ありがとうございますー！もっと面白くしていく所存です！！ (2017年5月29日 22時) (
レス) id: 2b7359f422 (このIDを非表示/違反報告)
awtwmjtngt - 面白いです。最新待ってます。頑張ってください。 (2017年5月29日 20時) (レス) id: c36a27a292 (このIDを非表示/違反報告)
扇(プロフ) - 私も男主が好きで、少ないから自分で書こうと思って始めたんです！もっと面白くできるように頑張ります♪ありがとうございます！！ (2017年5月12日 18時) (レス) id: 2b7359f422 (このIDを非表示/違反報告)
ましまろ - 男主探してて見つけて読んだら結構面白くて続きが気になって仕方ないですｗ更新頑張ってください! (2017年5月12日 17時) (レス) id: a5b79a8148 (このIDを非表示/違反報告)
扇(プロフ) - ありがとうございます！実はスランプ状態でして…ですが頑張ります！ (2017年5月6日 22時) (レス) id: 2b7359f422 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：扇 | 作成日時：2017年4月1日 1時
