よわいとこ (ページ6)

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夢主side

そしてここからうちの地獄の日々は始まった。

音は聞こえないため大好きなSMAPの歌や声を聞くことは出来ず、見ることだけができ

(この人たちの声が聞こえれば私はどんなに救われるか)

と思ったことは数え切れないほどあった。

そんな中月日は止まることを知らず流れ、あっという間にうちは28になった。

(こんな話です。私の耳が聞こえなくなった経緯は)

香(ごめん。そんな事があったなんて知らずに聞いて。無神経だったよね)

(いえいえ！全然大丈夫です！最初に嘘ついたうちが悪いんですから！気にしないでください！)

過去の事を思い出して泣きそうになったけど必死に堪えた

木(ねぇAちゃん。泣いていいんだよ？今泣くの我慢してるでしょ)

そう書き終わってすぐにうちの元へ駆け寄ったかと思えば

すごい力で抱きしめられた。

当然大人の男の人の力に叶うわけがなく呆然としてたら急に目から涙が溢れてきて

出せる程度の声で泣きわめいた

木「大丈夫。俺がいるから」

って木村くんの声が聞こえた気がした。

ふっと顔をあげると驚いたような嬉しそうな顔をしてニッコリ笑って顔が近づいてきたと思えば暖かい何かが唇に当たった。

ん…？えぇぇぇぇぇぇ！？

周りのみんなも同じような反応をしていた

そこからはもう記憶が無い

木村side

Aちゃんにそんな辛い過去があるなんて知らなかった。

その割には平気そうに俺らに振舞っているつもりなんだろうけど今にもその華奢な体は崩れそうで

(ねぇAちゃん。泣いていいんだよ？今泣くの我慢してるでしょ)

って書いてすぐAちゃんの元に駆け寄って思いっきり抱きしめた。

ふわっと香る柔軟剤の匂いは俺の鼻をくすぐる。

そして見てても分かった細い体はやっぱ華奢な体で俺が抱きしめたら壊れてしまいそうなくらいだった。

そしたらすごい泣き始めて、今まで相当辛いことも我慢してきたんだろうなって思った。

頑張ったよAちゃん。

俺は

「大丈夫。俺がいるから」

とAちゃんが聞こえるわけないのに呟いた。

でもAちゃんはふっと顔をあげたからもしかして聞こえたのかな！？と思うと嬉しくて

俺は嬉しさのあまりAちゃんにキスしてた。

ビックリしすぎて失神しちゃったかな？

中「おい！木村！何やってんだよお前！」

木「え？キス？」

香「いや何とぼけた声してんの！？」

木「Aちゃんが可愛かったからしただけ。なに？お前らもシたいの？」