けっぺきしょう【名探偵コナン】

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始めは古川さん



｢Cielさん｣


｢お疲れ様です、古川さん

先程のリハーサルでの事なんですけど...｣


｢あ、はい｣


舞台の話をすると悲しげな表情から直ぐに役者の、真剣な顔になった


｢...........という感じでお願いします｣


｢分かりました｣


｢ところで、新田さんと何かあったんですか｣


私の問いかけに聞かれると思っていなかったのだろうか、驚いた顔をしていたが直ぐに答えてくれた


｢さっきのですか...

第2章のシーンなんですけど

スピードの変化が大きいシーンであるから

ステップを早めて抑揚を強くした方がいいと言ったら.....｣


｢あんな風にキレられたと｣


｢はい、お恥ずかしながら...｣


｢お二人は仲があまりよろしくないのですか｣


｢いいえ、昔は親友でしたが、今は...

光栄なことにわたしは早くに世間から注目されました

その頃からでしょうか、賢人が私に距離を取り始めました

きっと、賢人は焦っているだけだと思います｣


古川さんの表情は悲しみ･懐かしみ･憤りが混ざった複雑なものだった


｢.....確かにそうかもしれませんね

演技を見ていた限り

常に古川さんと対抗するようにしていましたから｣


｢Cielさん

どうか、賢人の背中を押してやってください

あいつには才能があります

私への対抗心だけでやっていてはダメだ

あいつ自身で輝けることを気づいて欲しいんです｣


真剣な顔つきの古川さんを前に私は否の言葉を発することができなかった


｢.....できる限りのことはやってみますね｣


｢ありがとうございます｣

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