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『なんで、？』
自分でも情けないくらいに小さい声が出て。
「今日、見た。流星、女といるとこ」
あれはちゃう。そう言おうとしたとき、
「…じゃあね、」
Aは、悲しそうに出ていってしまった。
『情けへんなぁ…』
壁に寄りかかって、へたりと座り込む。
Aは、我慢して、我慢し続けて。
情けへんくて。
俺よりAの方が苦労してたんやって。
今更になって、感じられる。
あのまま、断ってたら、Aと今頃ドラマ見てたんかなぁ。
追いかける？
そんなん、Aが嬉しくないやんか。
Aは、期待せぇへんやろ？
俺は、君より先に行ってた。
君の事を見ずに、ずんずん先へ急いでた。
『…っ、帰ってきてや…』
クシャクシャのスーツなんて気にせず、
ベッドに潜り込み眠りについた。
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作者名：粋湖 | 作成日時：2018年9月25日 20時
