16. 夢のなか ページ16
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「Aねーちゃん、これも食いや〜?」
元々大食いだったゾム君は、成長期故に、尚更食欲も盛んとなっており、
「ありがと…んぐ、っ、か、からっ!?!?」
「デスソース入れてみてん」
「ゾムく”ん!?!?」
悪戯好きは子供のころから変わっていない。
「あんま、困らせんなや。ゾム」
「ええ反応するんやもん…」
「辛かったらこれに吐き出しいや?」
そう言ってティッシュを差し出してくるトントン君に、私は惚れる。
さらに男前に、かつ優男に育ってくれて私は嬉しいよ!!!
遠慮なくお礼を言いながら、口の中の刺激物を吐き出した。
「お水もあるで」と未開封のペットボトルをトントン君から渡されたときは、流石にラブソングが流れ始めた。こーいー、しちゃったんだー(棒)
「Aねーちゃん、」
イケボに呼ばれて振り向くと、「あーん」と言いながら口元に突っ込まれた甘い果物。
鬱君は「お口直し」と、笑いながら言った。
人見知りしてた幼少期の君と同一人物だって思えない。
ぴこん、ぴこん、ぴこん、と連続で鳴る通知音。
シャオロンがそのスマホを手に取り、
「また新しい女から連絡きてんでー」
と鬱君に対して言った。
「あー。それ先週、捨てた女やから放っておいてや」
しつこくてだるいねんなぁ、と言い放つ鬱君。
うん、なんか良くない成長を遂げてしまったんだね鬱君。
ぺいんとは相も変わらずうるさいし、
エーミールさんは漂う教授感がすごい。
くい、と袖を引っ張られた。
そこには天と書かれた雑面を付けた男性がいて、
ゆっくりその雑面をめくると、桃色の瞳が特徴的な彼と目が合った。
……ロボロ君はなんでこの天の雑面を付けてるんだろうか???
「ねえちゃんは、”俺”を独りにせえへん?」
その問いかけは今にも消えていきそうで。
泣きそうな彼の様子を見て、
私が知っている今より少し小さいロボロ君を思い出した。
強がりで、
ぺいんとが大好きで、
寂しがり屋で、
「せえへん。寂しい時は、私もいる。それに…きっとぺいんとがロボロのこと一人になんてさせないと思うよ」
確信をもって言えば、ロボロ君はそのお目目を大きく開かせて、
そして「へへ」と笑った。
「そっかぁ。独りじゃない…」
嬉しそうに笑うものだから、つられて私も口角が緩む。
「やって。らっでぃ」
ロボロ君は意味深にその瞳を細めて、
そして私の背後の先の誰かを捉えていた。
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のんたん(プロフ) - 主様の作品大好きです!すごい引き込まれるし面白くて大満足です!少し垣間見える闇がたまりません。のんびり待つので更新は主様のペースでお願いします!定期的に見に来て余韻に慕ってます!! (10月15日 11時) (レス) @page38 id: d906a8bcb0 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - え…これさ、夢主ちゃんの親、疑っていいやつ…? (10月5日 18時) (レス) @page35 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 見てる途中に見れなくなってしまいました。パスワードの解除待ってます (8月22日 23時) (レス) @page8 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
リトマス紙 - 主様のこちらの作品最高すぎます…!!丁度今一気見させていただいたところなんですがなんとも言えない余韻に浸ってます…!!笑笑のんびり待つので主様もゆっくりご自分のペースで更新、頑張ってください!!好きです!!() (7月26日 5時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - グッフッ(照れるemがすっげぇかわちぃ)(*´’Д’) : ;* : ;カハッ (7月2日 16時) (レス) @page14 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
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