1. 放課後の拠り所 ページ1
＿
私には小さな弟がいる。
「今日、ご飯何にしようかぁ」
手を繋いでスーパーを歩く。
今日の夕飯の話をすると足を止めた弟は少し悩んだ後に、
「おむらいす！！」
と元気よく言った。
はい、可愛い。
「じゃあ今日はオムライスにしよう！
卵はどこにあるかなー？」
「たまご、あっち！！」
そのまま走って卵売り場の方へ。
走ったらダメでしょうと注意する間もなく、
てこてこ、と歩いて戻ってきた弟の腕に抱えられているのは
卵。(高級な方)
「シッマ…」
「ねーちゃ、とてきた！！」
はい、天使。
そうだよ、弟がこの卵を選んで持ってきたんだから。
その卵を商品棚へ戻して、
安売りしている方の卵を買うことなんて私には出来ない！！！
「偉いね、シッマ」
得意げな弟は、キラキラとした目をこちらへ向ける。
「おれ、えらい？」
「うん。けど、危ないからスーパーの中を走っちゃダメだよ」
「ごほーび！おかしかってや、ねーちゃ」
好きなだけ買いなさい。
「いいよ」と言うとお菓子売り場の方へ走り去る弟。
私の注意は聞いちゃいねーなこりゃ。
「シッマ、走ったら危ないって」
ご機嫌なシッマは、タタタと走っていき、
曲がり角で人とぶつかる。
あ、と思った時には遅く、
こてっと後ろへ倒れたシッマは、じわっと目に涙を貯めていく。
そのまま泣いてしまったシッマの元へ急ぎ、
抱え上げてぶつかった相手へ頭を下げる。
「すみません、うちの弟が…」
「なきむし」
「え」
「なんや”どぉ！！」
聞いたことある声に顔を上げると、同級生のぺいんとがいた。
そしてぺいんとの隣にいた弟のロボ太＿通称ロボロ君は、
シッマを指さして鼻で笑う。
ロボロ君に馬鹿にされたシッマは、
ぽかぽかと小さな腕を振り回す。私の腕の中で。
「ぶつかってごめんね、コネシマ君」
「…ゆるす」
「にーさんにぶつかたの、おまえやろ！おまえがあやまれ！」
「うるさいわろぼろ！」
もうすっかり元気になったシッマに一息ついて、
そのまま下ろす。
するとまたロボロ君と喧嘩をしてしまった。
怒ったシッマもかわよ。
「A、鼻血出てるよ」
「え、嘘」
「犯罪者？」
「本当にごめんけど、私達の弟が可愛すぎて」
「分かるけど」
ロボロ君、私の弟になる？と提案すると、
シッマが「いやや！」と私に抱き着き、
ペイントが「ロボ太はうちの子です！」とロボロ君に抱き着く。
冗談ですやん。
＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 496人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のんたん(プロフ) - 主様の作品大好きです！すごい引き込まれるし面白くて大満足です！少し垣間見える闇がたまりません。のんびり待つので更新は主様のペースでお願いします！定期的に見に来て余韻に慕ってます！！ (10月15日 11時) (
レス) @page38 id: d906a8bcb0 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - え…これさ、夢主ちゃんの親、疑っていいやつ…？ (10月5日 18時) (レス) @page35 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 見てる途中に見れなくなってしまいました。パスワードの解除待ってます (8月22日 23時) (レス) @page8 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
リトマス紙 - 主様のこちらの作品最高すぎます…！！丁度今一気見させていただいたところなんですがなんとも言えない余韻に浸ってます…！！笑笑のんびり待つので主様もゆっくりご自分のペースで更新、頑張ってください！！好きです！！() (7月26日 5時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - ｸﾞｯﾌｯ(照れるemがすっげぇかわちぃ)(*´’Д’) : ;* : ;ｶﾊｯ (7月2日 16時) (レス) @page14 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
