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「助けろ、友人A」
「呼び方」


特に親しい友人も、頼れる知り合いもいない私は、隣のクラスの友人Aを訪ねた。
放課後、下駄箱で待ち伏せしながら、目立つニット帽に声をかける。拒否されたが、鳥井の名を出せば渋々ついてきてくれた。友達思いのいい奴だ。

場所も金もないため、近くの公園のベンチで話す。

相談内容は勿論昨日のこと。


”鳥井が私の料理に依存しているかもしれない”
私の話を聞くなり、ほーん、とAは口を開いた。


「確かに、飯の付き合い悪くなったしな」


どうやら友人の方でも心当たりはあるらしい。


「彼奴飯をたらふく相手に食わせて苦しむ表情が好きな食害野郎やからさ」
「なにそれ」
「別に今日も食害しとるなぁって思うだけやったけど。彼奴自身大食いのくせに、最近飯も積極的に食べてなかったかも」


でもその話聞いて尚更怪しいわ、お前。
ぎらり、睨みつける琥珀色の瞳は、鋭く、とても冷たいものだった。


「飯になんか入れたんとちゃうか」


そんな古典的な。
そもそも何か入れてたとしたら、危険なのは自分だろう。彼が”一口ちょーだい”とねだってくるから渋々渡しているわけで、言われなかったら私が一人で完食しているわけだ。その危険物は彼ではなく私の腹の中に行ってしまうだろう。

その説明をすれば、そっかと頷くA。頭悪そう(偏見)


「でもそれしか考えられんやろ。それか、誰もが魅了されるほどお前の飯が上手いってことか」
「え、それは嬉しい」
「お前の飯しか食えん事なるのは勘弁やけどな」


うーん…と悩んだのち、彼は分かったとこちらを向き直す。


「明日、俺様にも弁当作ってこい」
「様?というか、なぜ?」
「どれだけ上手いか知るため。と、シンプルに食べたい」
「おい」


鳥井にも作ってくるべきなの?と疑問に思うが、もしホンマにお前の手料理に依存しとるんなら量を減らしつつ渡すべきちゃうか、とのこと。

まぁ、Aと私の分だけお弁当作ってきて、また鳥井の”一口ちょーだい”詐欺にて私の昼飯がなくなるよりもましか、と呑気に思った。








__

_





「友人Aやない!シャオロンや」
「お前じゃないです。赤原Aです」
「シャオロン様って呼んでええで」
「はい。光栄です。私のことはお前でいいです」
「A」
「…」


不良に関わるとろくな目に合わない。
今”仕方なく”シャオロン様に相談しているわけだが、できれば最小限の関わりで事を済ませたい。

それは無理な願いっぽい。

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わとまる - この賞セス (5月19日 22時) (レス) @page21 id: 91c3072f2a (このIDを非表示/違反報告)
人形傀儡(プロフ) - 心に刺さりました。めっちゃ好みです。 (2022年6月25日 18時) (レス) @page9 id: ebc8796329 (このIDを非表示/違反報告)
える@脅威推し - りぃさん» ご飯だけじゃなくて夢主ちゃんにも依存してくれると嬉しi(((( (2022年6月21日 16時) (レス) @page5 id: e5ffed06b8 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - 好きな作品だ…こういう性格?のzさん好きなんです…ご飯に依存しかけてますがこれからどうなるか楽しみです…!! (2022年6月21日 3時) (レス) @page5 id: ed9e6e4b74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とぅ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年6月20日 0時

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