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零「…え？
ああ、そうか
凛花が漫画で読んでいたら、この後景光がどうなるのか知ってるか…
凛花の察しの通りなんだけど…
…それでも聞いてくれないかな？」
凛花「でも…
辛い思い出じゃないの？」
零「確かに、アイツ…景光が死んだ時のことは僕の中ではトラウマになってる
何年も経った今でも夢で見ることがあるし…
俺も忘れたい訳じゃないけど
前を向かなきゃなって思うんだ
いつまでも引っ張ってたら逆に景光怒ると思うし…
他の警察学校の友達も死んでるからこそ、
もっとしっかりしなきゃなって…
公安っていう立場上、周りの人に話せなかったんだ
誰かに聞いてもらえたらスッキリするかもしれないし
俺が凛花に話したいんだ
それでもダメかな？」
零くんがここにきた日に見た夢は多分、景光くんの夢だったんだろうなって察した。
来たばっかりの時の零くんは自分と向き合う余裕もなさそうだった
でも今は、少し余裕ができて向き合えなかったものと向き合おうとしてる
零くんの心が少し前向きに変わったんだなって思ったら嬉しくなった。
零くんが前を向けることを、手伝えるなら本望だ
凛花「うん、聞くよ
たくさん聞かせて？
景光さんの話でも、警察学校の同期の話でもいい
零くんが話したい話を聞きたい」
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
それから零くんは、たくさんの話を聞かせてくれた
景光くんと小さな頃に綺麗な夜空を見に2人でこっそり行った話
明美ちゃんのお母さんに手当てをしてもらいたくてわざと怪我しちゃった話
警察学校の同期にご飯を作った話
景光くんと組織に潜入してた時の話…
時々言葉に詰まりながらだけど
たくさんの話をしてくれた
今まで誰にも話せなかったからこそ、余計に辛かったんだろうな…
誰か周りに話せる人がいれば、ここまで零くんが苦しまなくても済んだのかもしれない
零くんは私に話すことで自分の中で整理出来ていなかった景光くんや同期の死を整理できたのだろう
話終えた零くんは、前よりもどこか人間らしさを取り戻した顔をしていた
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もの - ものものもの (2018年9月17日 16時) (
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作者名：ゆず丸 | 作成日時：2018年8月4日 19時
