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龍賀家の屋敷に着き、立派な門を潜ると、その先には体格の良い男たちが待ち構えていた。物騒な奴らだな。これだから田舎者は。
「何かご用でしょうか」
丸い大きなピアスと和装、長髪という変わった格好をした男が立っていた。
私たちに愛想笑いを浮かべてはいるが、あまり好意がある様には見えない。しかも、それを隠そうともしていないのがまた気に入らない。
『克典社長に会いにきました。なので、この護衛を退かして貰えないでしょうか』
「おい、孤崎っ!」
私の不躾な言い方に水木は肘で脇腹を小突いてきたが、どうせこの男は龍賀一族ではない。ならば、媚びへつらう必要もないだろう。
それに、最初に敵意を向けてきたのはそっちの方だ。
「おーっ!水木君に、孤崎君じゃないか!」
玄関から私たちの名前を呼ぶ克典に、ようやく護衛たちは元の持ち場に戻って行く。
だが、あの和装の男は愛想笑いを顔に貼り付けたまま、じっとこっちを見ていた。
気味の悪い男だ。人間のくせに、本心が読めない。
それに、あの気配…
じっと目を凝らせば、あいつの背後には、がしゃどくろの様な姿が透けて見え、どくろの背後では青い炎が揺れていた。
あれは_____
「来ないのか、孤崎くん?」
いつの間にか隣に居た水木は克典と共に屋敷の中へ歩みを進みていた。どうやら、いつまでも着いて来ずにぼーっとしてる私に痺れを切らし、声を掛けたのだろう。
『いえ、行かせて頂きます』
ニコリと笑みを浮かべ、長髪男に背を向け、屋敷の中へ入った。
廊下を歩きながら、水木は社長の一大事に立ち会わないわけにはいきませんからなどとおべっかを使っている。
そして着いた一部屋。襖を開けば、この村の住人全員が揃ってるのではないかと疑うほどの人数が勢揃いしていた。
そして、私たち余所者は異質な存在。ギロリと冷たい視線が集まる。
また、長女の乙米も私たちを敵視するように睨み、次女の丙江はつまらなそうに欠伸をしている。
私たちは、ただ頭を下げた。
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リノ(プロフ) - 上手く言語化できなくて申し訳ないぐらい神作見つけちゃったよ…どうしてくれんのよ大好きですBIG LOVE。作者さんの原作リスペクトも伝わってくるし違和感もないのホントうま杉田玄白でハゲそう。コメント250字しかできないのが辛いよ。更新全裸待機しときますね! (3月26日 3時) (レス) id: cc90a56098 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - やばばばばばめちゃ好きです… (1月4日 18時) (レス) @page18 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもねーど | 作成日時:2023年12月19日 21時