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ゲゲ郎の言葉に、河童はゲゲ、ケケケと河童の言葉で話している。人間には理解できないだろうが、妖怪同士の私たちであれば不思議と理解できるものだ。
どうやら河童は幽霊族については知らないが、嫌な気配が湖の離れ島からしているという情報が得られた。
この村に入った時からあの島は確かに異様な気配がしていた。面倒ごとはごめんだと避けていたが、とうとう避けられなくなってきたか。
「孤崎!!ゲゲ郎!どこだ!」
霧の中から水木の声がして、元の男の姿に戻る。ゲゲ郎は少し名残惜しそうにこちらを眺めていたが、あの姿のまま水木の前に現れるわけにもいくまい。
「騒がしいな、朝風呂じゃよ」
霧が晴れ、見張りにバレると急いだのだろう、水木は息を切らしていた。
「2人だけか、もう1人居たように見えたが。髪が長い奴も居なかったか?」
遠目から見えてしまったか。しかし、気のせいとやらで乗り切れるだろう。
それにしても、河童の影も見えたか。この村に着いてから、水木が少しずつ妖怪を見えるようになってきたみたいだな。
これから克典にゲゲ郎を牢から出すように頼むと話す。全く、知らない妖怪のことなんて放っておけばいいのに、相変わらずお人好しだ。
「孤崎、お前こんなところで呑気に風呂なんて入ってないで、さっさと行くぞ」
『すみません』
私も風呂から上がり服を着ると、水木の後を追う。
ゲゲ郎にここから動かないように頼んでいたが、あの男もまた、正直者では無さそうだ。
おそらく、これからあの小島へ向かうのだろう。
それをあえて水木には言わず、龍賀の屋敷へ向かった。
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せいた(プロフ) - めっちゃ面白い!続ききになるので更新楽しみにしております!! (5月4日 19時) (レス) @page18 id: 4527c8b3f3 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 上手く言語化できなくて申し訳ないぐらい神作見つけちゃったよ…どうしてくれんのよ大好きですBIG LOVE。作者さんの原作リスペクトも伝わってくるし違和感もないのホントうま杉田玄白でハゲそう。コメント250字しかできないのが辛いよ。更新全裸待機しときますね! (3月26日 3時) (レス) id: cc90a56098 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - やばばばばばめちゃ好きです… (1月4日 18時) (レス) @page18 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもねーど | 作成日時:2023年12月19日 21時