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「叔母様に挨拶してくる。」
そう言って立ち上がるAの姿は、まるでお父上の春雷様であった。
いや、そう似せているのだ。
同じ髪の長さ、
春雷様の着物、
髪飾りまで、
朱梅林は静かに茶を嗜んでいた。
梅林「大会の結果を聞いたわ。よくやったわね」
優しく微笑むその姿はただの優しい叔母に見えるだろう。
「お褒めいただき、光栄です。」
梅林「春雷兄様も、大会では功績を収めたのよ。
ねぇ、…顔をよく見せて頂戴。」
手を伸ばし、私の頬を撫でるその様子に反吐が出そうだ。
梅林「あぁ、そんなに睨まないで。
貴方は、本当にお兄様そっくりだわ。」
「…」
梅林「お兄様はとても優しい人だったの、
だけど、同時にずるい人よ。
私が愛しているのを、知っていながら…
私を遠ざけた。」
叔母の瞳は狂ったように私を見ていた。
気持ち悪い、
梅林「…春雷兄様は次期当主になるはずだったわ、
お父様は病に伏せてるわ。
他の甥たちも、引きこもりに力のない者たちばかりよ。
次の当主は、あなただわ。」
無表情で、早く時間がすぎるのをただ待った。
羅漢「A様、」
「…準備をしろ、叔母上の許可はおりた。」
心配そうに見る羅漢を無視する。
大会の功績から姑蘇藍家で勉学を学ぶことになった。
すぐさま、適当に門弟を連れて出る準備をする。
門をくぐり抜けると声をかけられた。
叔父「お前、何を考えているんだ！」
気が早い叔父上は私が梅林に気に入られていることを警戒している。
「お見送りに来てくれたのですか？」
叔父「なわけ無いだろ、
名家に気に入られて調子に乗るなよ？」
あぁ、子犬のよに下品に騒ぎ立てるこいつの喉を潰してしまいたい。
「…弱いものほどよく騒ぐ。」
叔父「なんだと？！
俺は信じないからな、
お前があの春雷兄様の息子だなんてっ。
二度と帰ってくるな、お前に居場所はない」
本当に、うっとおしい。
舌打ちするのを抑え、微笑んだ。
「この家に一度踏み入れたものは、
二度とでられない。
必ず、帰ってきます。」
私がこの家から離れることを望む者たちに聞こえるように、大きな声で言った。
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
