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魏無羨「…実際俺がどうなったか知ってるだろ」
「あぁ…無論知ってるさ。貴方はとても有名だ。
それに、あの力には興味があった。
こんな姑息な真似をしなくとも朱家を潰すことができる力だからな。」
魏無羨「…やめろ、あの力は、…」
鬼道を納め、すべてを失った。
守りたかったものも、
守らなければならなかったものも、
全てを失った。
魏無羨「あの力は、人が使うべきものじゃない」
「__後悔後に立たず、とは言ったものだな。
皆は驚くのでは？
貴方が自らの行動に後悔してると知れば。」
魏無羨「…そんな俺が言ってるんだ。
必ず後悔する。苦しむのはお前だろ。」
彼女はその言葉に瞳を閉じた。
「何を言っても無駄だ、
君たちが…わたしを止めることはできない。
___何故ならば、君たちは善人だからだ。」
その言葉に耳を疑った。
見開いた先にいるのは、怒りに狂った者ではなく朱Aという人間だった。
利己的で横暴、
物わかりがよく、よく周りを見て動く。
負けず嫌いで逞しい、凛とした若様。
「私と、貴方は同じ道を辿ることはない。」
魏無羨「何故、そう言い切れる？」
「私には守るべきものも、
____失うものもないからだ。」
真っ直ぐと揺るぎのない瞳が見つめてきた。
「夷陵老祖、そう呼ばれる悪人は噂話にすぎない
きっと私のほうが悪人で、性格が歪んでる。
私と貴方は全く違う。」
魏無羨「、…」
「貴方は、全てを守ろうとした。
そのためには力が必要だった…
その結果得たのが鬼道をだったそれだけの話だ。」
こんなにも事実を受けとめているものがいるだなんて思いもよらなかった。
「それが仙門の恨みを買い破滅に追い込んだ。
結果としてすべてを失った。」
魏無羨「あぁ…そうだ。」
「結果がどうであれ、やろうとしたことはわからないでもない。
その点、私に悪も善も大差ない。
__誰を傷つけようが、どうだっていい。」
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
