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屋根上に易易と登り、姑蘇を後にしようとした。
魏無羨「ここの掟を忘れたか？
夜遊びは禁じられてるんだぞ。」
舌打ちをしそうになったのをこらえる。
屋根上には含光君たちが待ち構えていた。
「……」
やはり、一筋縄ではいかないようだ。
「夜出れば、次の日まで入れない。だったか？
夜遊びじゃない、私はここに二度と戻ってこない」
魏無羨「朱家を焼き払うつもりか？」
その問いに彼女は笑った。
「さぁ、どう殺そうか…考えものだな。」
なんの悪びれもない様子に目を細める。
忘機「それはさせない。朱家が犯した罪は全て仙門によって精算する。
この件から手を引くんだ。」
その言葉に彼女の笑みは消え失せた。
「なんだと？、今なんと言った。
私に手を引けだと？、
私が今までどれだけ望んできたことか…
お前らにわかるか？」
腹に溜め込んだ憤りが全身を騒がせる。
「…、罪の精算だと？、巫山戯るな！！
今まで見向きもしなかったくせに、…」
__もう、遅い。
引き返せないところまで、来てしまったんだ。
拳を震わせ、剣を手に取った。
「…邪魔をするのなら、私は容赦しない。」
邪魔をする者はみな、排除すればいい。
魏無羨「やめろ、含光君の前に勝ち目があると思うか？」
二人が剣に構えた。
魏無羨「今ならまだ間に合う。
復讐なんて、止めるんだ。」
その問いに彼女は嘲笑った。
「それは…過去の自分に言っているのか？
かの悪人、夷陵老祖よ。」
頭の切れる彼女だからこそ正体に気付いたのだ。
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
