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「はっ、所詮朱家の人間だったのだ。
己の欲のために悪事を働いていたとは…」
皮肉めいた言葉が突き刺さる。
彼女は鼻では笑ったが、その目は怒りに満ちていた
曦臣「…これが幻覚である可能性もあります、
決まったわけではない。」
きっと両親は彼女にとって唯一の存在だったはずだ
両親の話をしていたときの彼女は、懐かしそうにしていたことを知っている。
「目の前に映し出されたものが事実だ。
父は己の野心のために自ら怨霊を引き寄せた。
そして…父に似ている私が怨念の相手だと勘違いされ襲われた。」
それなら辻褄が合う。
魏無羨「…そんなことを普通するか？」
「奴らならやるさ、見栄っ張りに強欲で野心のためなら手段を選ばない。
朱家や仙師以外は人じゃないと思ってる。
可笑しいと思っていたんだ…
あの腐った家で聖君のように讃えられる若様が生まれると思うか？」
梅林伯母様や、
羅漢がこのことを知ったら驚愕するだろう。
私を父に似ていると抜かした老師たちも、
侘びしい家で、父を待っていた母も、…
「みんな、あいつに騙されていたんだ。」
そして、……私も。
「この体にも、…その忌々しい血が流れているらしい。」
最悪だ、
貴方だけは、と思っていた自分失望する。
そんな感情もうとっくに捨てたと思っていたのに。
だから、踊らされるのだ。
パチパチとなる火花はまるで私の心を表しているようだった。
曦臣「あなたの父がどうであろうと…
それは関係のないことでしょう。」
「同じ血が流れているというだけで、吐き気がする
あいつを優秀だと讃える者たちも、
それに惑わされた者も…
何が聖君だ、忌々しい。」
見下ろしている父に近づき、睨んだ。
許さない…
「壊してやる、お前を引きずり出してでも、
必ず、報いを受けさせる…」
怒りに身を任せてその男を剣で突き刺した。
それと同時に、魂は消え
残ったのは彼女の燃え上がった憤りだけだった。
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
